早稲田大学 文学部 AO入試 志望理由書 提出例(デュスッド・オディールゼミ向け)

■議論の整理

フランスと日本の関係を考えることには意義がある。日本が浮世絵を発見したのは、フランスでの日本らしさ(ジャポニスム)の発見を逆輸入したことによる。日本は日本らしさを発見することができず、日本は日本らしさを海外の視点から自己規定する側面がある。

 

■問題発見

これと同じような問題規制をもつものに「サムライ・イメージ」があげられる※1。サムライ・イメージは日本の中で醸成されたというよりも、フランスで発見された側面が強い。日本の文化を自明とするのではなく、日本の文化は他国の視点から先取りされたものだという視野をもって、再度日本を眺めてみた場合どのような視座が開けてくるだろうか。

 

 

■論証

たとえば、1970年代以降の高度経済成長時代に日本が躍進した理由として日本人の勤勉さが研究された。その心理を研究したものとして、『タテ社会の基本構造』や『甘えの構造』などの社会学者および心理学者の言説がはやったが、これは一方でアメリカ流の心理学の流用に過ぎないとの見方もある。ここに表れているトリックは、当該の日本人研究者が意図的でないにせよ、アメリカではやった研究手法が適用され、その研究手法を日本に当てはめてみた場合、日本のイメージが再生産されてしまうことになることだ。

 

■結論

これが時代をまたいで広く流布するようになると、本来は他者からの視線だったものが、いつのまにか脱色され、脱文脈した形で、もともと日本人が考え出したオリジナルの言説としての日本らしさが捏造される。初めは、他者からの視線だったものがいつのまにか他者がカッコに入って、私たちの物になる。

 

■結論の吟味

これらの観点を踏まえると、私たちのアイデンティティはいかに他者の視線を取り入れることに長けているかがわかる。近年であれば、「ジャパニメーション」などの文化政策もその一つだろう。初めは女子供の見るものだったものが、他国から評価され始めるやいないや、私たちの誇れる文化となる。そして他者の視線にいつもいるのがフランスではなかろうかと私は考えている。日本とフランスの文化的接触についてより深く掘り下げてみたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1デュスッド・オディール「ポストコロニアル時代の人文学、その再構築――21世紀の展開にむけて」 谷口眞子・デュスッド・オディール・松永美穂編『サムライ・イメージの光と影――国際日本学の観点から――』

 

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