設問
文章を読んで、以下の問に答えなさい。
問1
下線部1について、なにがどう異なるのか100字以内で説明しなさい。
5STEPsの議論の整理でまとめる。
「昔の女性は働いてこなかった」という考えは事実と異なる。実際、家事に専念する女性の割合が最も高かったのは1970年代であり、その前の時代は農業や自営業に従事する女性が多かったからである。(93)
問2
表のデータを使い、図Aを作成しなさい。(割愛)
問3
下線部3について、日本の女性はイタリアの女性に比べて、より就労しているとは言い切れない理由を100字以内で説明しなさい。
5STEPsの議論の整理でまとめる。
単純な女性労働力参画率では日本が48%、イタリアが39%と日本のほうが就労しているように見えるが、男性の労働参画率の日本70%、イタリア59%と比較して比べた場合、日本とイタリアに大きな差はないから。(100)
問4
アメリカ、スウェーデン、ドイツにおける男女の働き方の特徴をそれぞれ150字以内で述べなさい。
5STEPsの議論の整理でまとめる。
アメリカ
アメリカは雇用規制緩和により不況を乗り切ったため、社会的な所得格差が大きい。一方で女性運動が活発であり、男女機会平等が進んでいる。さらに低負担・低福祉という特徴のため出産による女性の長期離脱がなく、男性と女性の雇用に差がない。結果、男女間のギャップは少ないが、社会的な格差が大きいという特徴がある。(149)
スウェーデン
スウェーデンはフルタイムで働く女性の割合が高く、所得を得ている女性の5割以上が公的に雇用されている。これはスウェーデンが高負担・高福祉を維持し、政府の規模を大きくすることで1970年台以降の不況を乗り切った影響である。結果、男性が民間企業、女性が政府に雇用されて働く「性別職域分離」を特徴としている。(150)
ドイツ
ドイツでは不況の際、雇用を縮小する方策をとった。すなわち、すでに雇用されている男性の職を保持し、高齢労働者の早期退職を進めることにより若い層への雇用確保を促した。ここで、女性に雇用の機会が拡大されることもなかった。以上よりドイツは引退者が多く、フルタイムで働く女性の割合が低いという特徴をもっている。(150)
問5
現在の内閣が目指す「女性が輝く社会」とはどのような社会か。日本の女性の働き方を踏まえ、500字以内であなたの考えを述べなさい。
5STEPsでまとめる。
議論の整理→日本の現状
日本では不況の際、内部労働市場による雇用調整を行う方針をたてた。このとき、非正規雇用が中心であった女性たちは労働調整のため家庭に吸収され、結果、現在に至るまで性別分業が堅持されてきたと筆者は述べている。
問題発見→日本が目指すべき「女性が輝く社会」とは
これからの日本が目指すべき「女性が輝く社会」とはどのような社会だろうか。
論証→女性向け外部労働市場(非正規雇用)の発展が社会問題に繋がっている
文中では、外部労働市場が女性向けに発展してきたことが正規雇用・非正規雇用の賃金格差の問題につながり、晩婚化・少子化をひきおこしていると述べられている。この女性向けに発展してきた外部労働市場とは、「柔軟な働き方ができるが、解雇もされやすい」という特徴をもつ非正規雇用である。逆に言えば正規雇用は「働き方に融通がないが、安定した収入を約束する」という特徴があるといえる。性別分業意識の根強い日本において、子育てや家庭の事情を抱えやすい女性に正規雇用が広がらなかったのは当然といえよう。
解決策or結論→正規雇用のありかたを改める必要がある
以上より、日本の外部労働市場を正常化し、社会全体の問題解決を行うためには、正規雇用における従来の考えを改めるべきであると私は思う。
解決策or結論の吟味→正規雇用にも「柔軟な働き方」を許す方向性を
より柔軟な働き方を許容することで働き方における男女の差は小さくなり、「女性が輝く社会」を実現することができるだろう。(500)
コメントを残す