早稲田大学 社会科学部 自己推薦入試 2017年 小論文 解答例

設問

近年、歩きスマホによる事故や事件が社会問題として話題になっています。歩きスマホがなくならないのはなぜか、あなたの考えを800字以内で述べなさい。

5STEPsでまとめる。

議論の整理→歩きスマホの危険性

公共の場での「歩きスマホ」は転倒、衝突など、あらゆる事故の原因になる。にもかかわらず現在、街を見渡すと歩きスマホをしている人の姿は後を絶たない。

問題発見→歩きスマホがなくならないのはなぜか

危険であることが明白でありながら、歩きスマホがなくならないのは一体なぜなのだろうか。

論証→歩きスマホをする人の言い分と、その根源となる考えの抽出(帰納法)

歩きスマホをする人の言い分は、「歩きながら操作する必要がある」ケースと、「必要でもないのにしてしまう」ケースに分けられる。
まず、前者の言い分を考える。この場合、地図を見ながら歩きたい、急ぎの連絡が入っていないか確認したい、そういった状況において「立ち止まる時間すら惜しい」ということであろう。
一方で、後者はどうだろうか。手持ち無沙汰である、スマホを触るのが癖である、そういった理由で「立ち止まるのは面倒である」という主張が想定される。
両者いずれも公共の場所において「自分本位な都合で周囲への注意を疎かにしている」という点で一致しているのがわかる。

解決策or結論→「周囲への気配りよりも、自分の都合が優先されるべき」という姿勢の人が多いから

以上より、歩きスマホがなくならない原因は「周囲への気配りよりも自分の都合を優先する人の多さ」にあると私は考える。歩きスマホを避ける手段はいくらでもある。立ち止まる時間すら惜しいなら、あらかじめ調べ物や連絡を済ませておく努力をすればよい。癖で触ってしまうなら、鞄の中に厳重にしまっておけばよい。こうした考えを追いやり、自分の都合を第一に押し通した結果が「歩きスマホ」なのである。

解決策or結論の吟味→「歩きスマホはスマホのせい」という対抗意見を吟味

一方で、「歩きスマホがなくならないのは、スマホが進化しすぎたせいだ」という見方もあるかもしれない。スマホの軽さや操作の容易さといった利点が「歩きスマホ」を可能にしているのも事実である。しかし、さんざん便利さを享受しておきながら、悪い面を技術の進歩のせいにするのはいかがなものだろうか。便利なものは良くも悪くも、社会に大きな影響を与える。個人の利益を追求するあまり、人としてのモラルを忘れるようなことはあってはならないと私は思う。(789)

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