上智大学 神学部神学科 AO入試 具正謨ゼミ向け

  • 議論の整理

伝統的に儀礼を重視するカトリックではしばしば典礼について議論されることが多い。その中でも、19世紀の第二ヴァティカン公会議以降の典礼刷新運動はエキュメニズム的な視点をも包含し、プロテスタント教会との連携による新たなキリスト教の在り方の可能性を開いたものであると言える。トリエント公会議以降形骸化しつつあった数々の儀礼を改革することで、ミサをはじめとする典礼は高位聖職者以外の信徒たちの関心を惹くに至ったのである。

  • 問題発見

典礼という目に見える形での信仰活動は、バルト等が志向した「神の言葉の神学」という言語中心の教義体系への期待が薄まるにつれてその重要性が増していった。それと同時に、国際化と多様化が進む現代社会においてキリスト教にも自身のアイデンティティを問い直すことが求められていく中で、宗教歴史学的に典礼の形態について再検討を行う意義も大きくなっている。ここで、典礼刷新運動が切り拓いた新たなキリスト教の可能性について、それ以前の典礼の性格との比較から論じることはできないだろうか。

  • 論証

言葉中心の神学と行為中心の神学の交差点として存在するような言葉と行為の両局面の性格をもつ儀礼についての考察から始めることが、典礼理解に大いに役立つと考えられる。例えば、土屋は著作の中でこのような儀礼の一つとして「祈り」に着目し、ハイラーとギルの理論を検討しながら、他の宗教にも一般的に見られるこの儀礼のキリスト教における独自の性格について考察を重ねており、教典という共同体的性格をもつ「もの」を媒介とすることに特異性を見出している。この考察に基づき、祈りの教典について詳細に検討を行いたいと考えている。

  • 結論

本研究は典礼刷新運動以降の世界宗教を目指すキリスト教におけるアイデンティティ再考に寄与するものであると考えている。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、これまで貴学においてキリスト教の典礼および秘跡について研究を重ねてきた具教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

土屋博 (2009) 「教典と祈り」『北海学園大学人文論集』 42, 39-57

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