上智大学 神学部神学科 AO入試 川中仁ゼミ向け

  • 議論の整理

今世紀のカトリック神学に多大な影響を与えたカール・ラーナーは「無名のキリスト者」という概念を提唱したが、この理論はしばしば誤解され、他宗教からの批判の的とされていることが多い。議論の焦点となるのは、この概念がキリスト教の包括的現存を指しているのかどうかということである。もしそうであるならば、それは他宗教の信仰者をも強引にキリスト教の所属に引き入れてしまうという宗教的な帝国主義に繋がりかねないという問題がある。

  • 問題発見

川中教授は「「無名のキリスト者」?」という論考の中で、ラーナー自身が唱えていた「無名のキリスト者」は第一に世界におけるキリストの普遍的な現存を主張するものだったと述べている。この概念が他宗教からの反発を呼ぶのは宗教的所属を明示する教会とキリストを同一視した場合であり、教会の内と外をどのように線引きするかどうかが問題となる。これは、現代のカトリック神学において教会をどのように捉えるかという重要なテーマに繋がる。

  • 論証

伝統的な公理では、「教会の外に救いなし」という言葉からも明らかなように厳格に教会の内と外を区別してきた。ラーナーが重要な役割を果たした第二ヴァティカン教会公会議において教会外での救いの可能性が認められたものの、この公理は棄却されえないし、教会の必要性も否定されるべきではない。そこでラーナー神学における教会の解釈を再考し、真の「無名のキリスト者」理論を考察したいと考えている。

  • 結論

本研究は「救いの普遍性」について議論を行う為の思想的基盤の構築に貢献できるものだと考えている。これにより人々の信仰の形が多様化する現代社会において、多くの人々に救いをもたらすことを可能にすると期待している。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、これまで貴学においてキリスト教的価値観について数多くの研究を行ってきた川中教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

川中仁 (2015) 「「無名のキリスト者」?」『カトリック研究』 84, 119-132

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