2020年 上智大学公募推薦入学 総合人間科学部・社会福祉学科 小論文 解答例

議論の整理(要約)

この文章によると1970年代までの貧困とは、社会階層の底辺にいる集団により定義されていた。社会階層の底辺にいる集団は所得が低く、雇用が不安定な仕事をしている。このような貧困層は、最低限の生活ができないため、社会がいかに保障するのかが論点となってきた。そして、貧困層から脱却するために、安定した仕事に就き、家族をつくることが推奨されてきた。近年は、生活保護受給者が増加するなど、貧困層が拡大している。しかし、その実情は多様化しているため、貧困から脱出する道筋も一筋縄ではいかない。

問題発見

低所得層という近代構図から転換し、多元化する現代の貧困とは、どのような特徴があるのか。

論証

これまでの日本では、貧困層から脱出するために、安定した仕事に就くことが、ひとつの目標であった。しかしながら現代は、フルタイムの仕事に就いていても、貧困状態を脱出でいないことも多い。かつての貧困者は、仕事が十分にない状態の人を指していた。しかし今は、ワーキングプアに代表されるように、仕事はあるが貧しい人たちも増えている。そうした人たちは、結婚するとますます貧困状態となるため、別の解決策が必要とされる。

また、現代の貧困は、日本の景気と密接に関わっているところも大きい。これまでの貧困者は学歴を持たない者が多かった。一方、今の貧困者は、就職氷河期の非正規雇用者に象徴されるように、大学を出ている者も少なくない。高度経済成長期なら、大学を出ていれば会社に就職できたことを踏まえると、貧困に陥るプロセスは、自己責任である以上に、社会の責任である部分も大きいという特徴もある。

結論

これまでは、個々をサポートすることで、貧困から脱出を図らせることができた。現代は、それぞれの世代が直面した社会問題の解決として、貧困問題に取り組んでいく必要がある。

吟味

社会問題の諸相は、世代だけではなく、離婚率の増加、核家族化、少子高齢化など、さまざまなフェーズがある。そのため就業支援以外のサポート体制を整えることも大切だと思った。(847文字)

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