2019年 上智大学推薦入学試験(公募制) 文学部・哲学科 小論文 解答例

議論の整理(要約)

論理的である必要があるのは、人間のコミュニケーションは不完全だからである。人間でも「あ・うん」の会話が成立するのではれば論理的である必要はない。論理的であることで初めて、人間は外部に向けて発信できる

問題発見

論理的であることで、外部の人間と本当に正しくコミュニケーションがとれるのだろうか?相手も同じくらいに論理的であることが可能なのだろうか。非論理的なコミュニケーションが果たす役割があるのではないだろうか。

論証

論理的に話すことで、この文章にあるような全能の神のコミュニケーションが実現することもあるかもしれない。しかしながら、論理的なコミュニケーションが成立するのは、あらゆる人ではなく、同じ程度の知性を持っている限られたグループだけなのではないだろうか。

論理的に話すこととは、さまざまな情報を整理し、因果関係を成立させ、それを明確に説明する、とても高度なコミュニケーションである。生まれながらにして論理的に話せるわけではないため、ある程度の教養やトレーニングが必要となる。そのため結果的に仲間内の言葉になってしまう恐れがある。

海外などで主要言語がなにも伝わらない場合、論理的なコミュニケーションは無力である。むしろ、外部に向けて発信できるのは、「あ・うん」の会話である。それを成立させるためには、ボディランゲージや想像力も含めた、不完全なコミュニケーションのほうが、大きな力を発揮する。

結論

論理的な言葉は、「よそ者」など外部に向けて発信する手段ではなく、同等レベルの知的グループ内で力を発揮する、限定的なコミュニケーションである。むしろ、ボディランゲージや「あ・うん」のような非論理的なコミュニケーションのほうが、外部と多くのことを話せる可能性を秘めている。

吟味

ボディランゲージのような非論理的なコミュニケーションが、全能の神の会話のなかで果たす役割を考えていけば、コミュニケーションの幅がさらに広がるだろう。(817文字)

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