上智大学 法学部 法律学科 公募制推薦入試 2018年 小論文 解答例

設問

次の文章を読んで、悪質クレームの問題点を一つ提示し、企業としてどのような対策を採りうるか、そのメリットおよびデメリットを含め具体的に論じなさい(800字以内)。

議論の整理→文章の整理

悪質クレームの問題点としては、過度な顧客至上主義のため、企業側が理不尽なクレームをうけた従業員を守れず、従業員に過度のストレスがかかってしまうことが挙げられる。それは従業員個人の問題だけではなく、結果として他の従業員の労働意欲の低下、生産性の減少などにつながるため、悪質クレーマーへの対策を行うのは喫緊の課題であるといえる。

問題発見→企業が採りうる対策は何か?

では、具体的に企業はどのような対策を採ることができるだろうか。

論証→従業員の意識改革

まずは従業員に対する教育が必要だと考える。直接顧客に接する従業員に対する教育を行い、悪質クレーマーへの対応策を学ぶのである。具体的には、どのような客が悪質なクレーマーと言えるかの判断、そのような客に対応するときのマニュアル、ほかの従業員がクレーマーに対応しているときの支援の仕方、本部へのエスカレーションなどである。この対応策のメリットとしては、従業員に沁みついている「お客様は神様」という意識をなくすことで、悪質なクレーマーに対しては毅然と反論し、他の従業員を含め一致団結して取り組むことができることが挙げられる。それにより従業員の心理的な負担が相当軽減されるはずである。他方でデメリットとしては、従業員の意識を改革するのにはそれなりの時間がかかるため、対応が遅くなることで従業員のストレスが軽減されにくいことが挙げられる。

解決策or結論→度の過ぎた顧客至上主義とクレーマーの増加

悪質クレーマーの被害が数字によって可視化されたことで、企業側も対応をせざるを得ない状況になった。悪質クレーマーの増加と、それによる従業員が受けるストレスの背景には、徹底しすぎた顧客至上主義があるだろう。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する

長いこと、企業では「お金を払うお客様」の満足度を徹底追及してきたが、結果として理不尽な客に苦しむ従業員が増えてしまった。このデータを見る限り、企業は従業員を守る方向性を真剣に検討すべき段階にあるといえるのではないだろうか。(768字)

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