2019年 上智大学推薦入学試験(公募制) 総合グローバル学部・総合グローバル学科 小論文 解答例

議論の整理

文章(A)は、大平内閣が打ち出した「総合安全保障」の意義を説明したものである。それによると、政治の最大の責務は日本の安全を保障することであり、それを実現するためには日米安全保障条約に基づく体制づくりが不可欠であるとしている。文章(B)によると、大平内閣が打ち出した総合安全保障の考え方は、軍事的な要素と非軍事的な要素を包括したものである。総合に該当するcomprehensiveのニュアンスは、海外にて理解されているとは言えない。結果として、日本は軍事的な要素を重視せざるを得なくなっている。

問題発見

現在の日本において、大平内閣が打ち出した総合安全保障という考え方は意味を持ちうるのだろうか。

論証

従来の安全保障とは、米ソの冷戦から生まれたさまざまな脅威に対応するものであった。しかし冷戦が終結している今、脅威の種類は多様化している。日本の場合、北朝鮮の核ミサイル発射を巨大な脅威として位置づけられる。安全保障条約に基づき日本国内には複数の米軍基地が置かれており、「共に」防衛のために駆けつけてくれそうに見える。しかし、実際に攻撃を受けた場合、本当に駆けつけるつもりがあるのか不透明である。

私が考える安全保障とは、アメリカを含めるのではなく、日本と近隣諸国の問題として考えるべきものである。そして非政治的・非軍事的であるのが理想的だ。日本にとっての脅威のひとつが北朝鮮の核ミサイルである。さらに中国や韓国とも友好な関係を築けていない。敵対的な関係が続くことは日本の安全を保障することにならない。

結論

この問題を解決するためには、近隣諸国との友好関係を築くことに注力するべきである。国民同士が交流する、イベントを共同開催するなどして、内側から仲間意識を高めることで、安全が脅かされる要素を減らせる。それを背後からバックアップすることが政治に課せられた役割である。

吟味

安全を保障するにあたり、実際に攻撃を受けたときの備えとして、軍事力強化の問題は避けて通ることができない。日本の安全保障のなかで、軍事的な面をどのように位置づけるかが、これからの課題となるだろう。(870文字)

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