「上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科 社会人入試 2016年 小論文 解答例」

■設問

近年日本において、格差社会の様々な問題が取り上げられるようになりました。あなたが問題と感じることについて、その現状と対応策を社会福祉の観点から論じなさい。

■答案構成

 議論の整理→ 格差社会は「貧困層」「富裕層」で二分化
 問題発見→ 格差社会は一度形成されると層が固定化
 論証→ 「非正規雇用やフリーター」「教育」
 解決策or結論→ 国民の意識を変える
 解決策or結論の吟味→ 意識の問題はなかなか変わらない

■回答

 議論の整理→ 格差社会は「貧困層」「富裕層」で二分化

格差社会とは経済面で使われる言葉で、収入や財産などによって「富裕層」と「貧困層」に二分化された社会のことです。

 問題発見→ 格差社会は一度形成されると層が固定化

この格差社会の問題点は、一度「貧困層」に落ちてしまうと、中々上に這い上がれなくなってしまうことです。「貧困層」と「富裕層」に二分された層はそのまま固定化し、さらに格差を増すことにもつながりかねません。

 論証→ 「非正規雇用やフリーター」「教育」

格差社会の要因とされていることはいくつかあります。例えば、非正規雇用やフリーターの拡大です。非正規社員やフリーターは、年齢があがるにつれて、正規社員になることが難しくなってしまいます。一般的に非正規雇用やフリーターは正社員と比べて収入が低いですから、正社員になれなければ低収入の状態が続いてしまいます。こうして所得格差が産まれ、格差社会の要因となります。また教育面でも格差社会の要因はあります。一般的に高所得者の親は、教育に力を入れる特徴があります。塾や予備校に通い、高学歴を手に入れた子どもは親と同じように高所得になります。例えば医者の息子は医者になるという言葉があるように、高所得者の子どもは高所得になる可能性が高いです。対して、低所得者の家庭では子どもの教育に財を投じるほど生活に余裕がありません。いい教育を受けられず、結果的に、親と同じく低収入になってしまう結末になりがちです。このように仕事面でも教育面でも、一度「貧困層」に落ちてしまうと本人の努力では這い上がることが難しいのが現状です。

 解決策or結論→ 国民の意識を変える

こうした現状を解決するためにはどうすべきでしょうか。私は国民の意識を変えることが必要だと思います。今の日本では「富裕層」はいいこと、「貧困層」は悪いことだという観念が固定化されています。いくら経済的に豊かであっても幸せとは限らないですし、家庭が貧しくても絵を書いたりスポーツで頑張ったりと別の方面で才能を見出せばいいのです。色々な働き方や価値観があることをすべての国民が認められるような社会を構築すべきです。

 解決策or結論の吟味→ 意識の問題はなかなか変わらない

とはいっても意識の問題だから中々変えられないのでは、と懸念する声もあがるでしょう。少しずつでもいいのです。今の日本は「働き方改革」の推進が始まり、新しい働き方を認めようという社会の風潮です。価値観の転換期を迎えているとも言えるので、この機会に今までにない新たな価値観を社会に溶け込ませ、お金があるほうが幸福だという従来の思想から脱却しましょう。

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