2020年 上智大学編入学試験 総合人間科学部・社会福祉学科 小論文 解答例(問1)

議論の整理(要約)

外国人や難民の受け入れに対する意識のなかで、もっともよいと思う意識類型は、「格差を容認する多文化主義」の立場である。理想的には格差はないほうがいいが、経済活動をするなかで格差が生じるのはやむを得ない。会社経営の才能がある、高度な技術を持っている、たぐいまれなる才能がある人が、高所得となることは否定するべきことではない。大切なことは、高所得となった層が格差の存在を理解し、その解決のために取り組む社会であることだ。

問題発見

この類型による社会を実現させるためには、どのような社会福祉や社会保障で対応するできだろうか。

論証

現在の日本の社会福祉は、経済的な弱者に対して、生活保護や医療費負担など、金銭的なサポートをすることがメインとなっている。必要な人に必要な支援が行き渡るように、相談窓口を充実させるなど、サポート体制を整備することが必須である。

経済的な支援に加えて、就業斡旋のように社会に参画するためのサポートも不可欠である。もちろん行われているが、十分に成果が出ているとは言えない。その結果、日本の経済の停滞も後押しし、社会福祉費が増え続け、財源を逼迫させているというのが現状だ。

私は、経済活動が存在する限り、格差は生じるものだと思っている。そのうえで、経済的に成功した人や組織が、その弱者を社会に参画させる機会を増やすことが重要となる。そこで鍵となるのが多様性を認める多文化主義である。多文化主義の高所得者が増えることで、所得が低い層のチャンスが広がり、格差が徐々に是正される。

結論

社会的弱者の生活の保障と雇用を生み出す企業などのサポートを同時に行うことで、格差がありながらも是正に向かわせる、多文化主義の社会が実現する。

吟味

企業や組織は利益を追求するミッションがある。そのため、その資金に依存し続けていると、このような流れは作れない。そこで社会福祉と関連させて、企業などに予算を投じることで、雇用機会をさらに拡大させることも必要となる。(829文字)

AO入試・小論文に関するご相談・10日間無料添削はこちらから

「AO入試、どうしたらいいか分からない……」「小論文、添削してくれる人がいない……」という方は、こちらからご相談ください。
(毎日学習会の代表林が相談対応させていただきます!)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です