上智大学 経済学部 特別入試 志望理由書 提出例(新井範子ゼミ向け)

■ 議論の整理
私は、グローバルでローカルな社会問題解決のために、経営学や消費者心理の分析がどのように応用できるかに関心がある。もともと、一部の市民による小規模な消費者運動であった「フェアトレード」は、今では世界的に認知されて広まった。また、近年では、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の追い風を受けて、消費者が社会的課題の解決を考慮しながら、課題に取り組む事業者を応援する「エシカル消費」も盛り上がりを見せている。その傾向は、日本人にとって身近な地域社会の問題である障害者授産施設商品の市場拡大戦略にも影響を与え、障害者雇用の拡大と生活の安定を支援策の一環として商品のブランド化が推進された。

■ 問題発見
しかし、多くのケースについて授産施設の市場拡大戦略は行き詰まりを見せている。新井はその原因を分析し、授産施設が福祉目的を達成しながらもビジネスとして成功しなくてはならないという状況を「構造上の矛盾」であると指摘している※。商品が売れるようになり作業者の工賃が向上したとしても、作業者にとっての負担の増加や生活の質の低下を招くような取り組みを成功とは呼べないからである。

■ 論証
確かに、福祉の現場においては、経営学的アプローチをそのまま適用することが難しい。しかし、一方で、福祉的・人権的観点から見ても、工賃の向上のための市場拡大は必要であり、福祉の向上に貢献する経営学的アプローチや方法論の開拓は喫緊の課題であると考える。

■ 結論
そこで、私は、福祉の現場における有効な経営学的アプローチの可能性を探るため、国内外における事例の収集と評価、福祉現場に援用可能な経営理論を学びたい。

■ 結論の吟味
上記の問題意識を追求していくために、貴学の新井範子教授に師事し、社会学や社会心理学を踏まえたマーケティング理論を学ぶことを強く希望する。

※ 新井範子(2017) 「障害者授産施設商品の市場拡大戦略の方向性についての一考察」 上智経済論集 第62巻 第1・2号

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