慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(千谷 真美子研究会向け)

 議論の整理・・・労働改革が叫ばれて久しいが、その中小企業に対する効果に対して私は疑問を抱かざるを得ない。私は地方都市に住んでおり、大学に行かずに地元で就職する学生が大多数を占める。高校卒業後すぐに働きだした先輩や親せきに話を聞くと、給料は横ばいの一方で大手企業の残業規制により中小に仕事がまわされてサービス残業が増加しており、時給で考えるとアルバイトの方がはるかにマシとのことである。

 労働改革はアベノミクスの成長戦略の中でも最重要な改革であり、20146月に閣議決定された第二次成長戦略では、「働き方の改革」「解雇の金銭保証」「派遣労働法の改正」「外国人材の活用」が重要な改革項目として掲げられている。

 

 問題の発見・・・しかし、勤労統計不正が明るみに出た結果、アベノミクスの効果を疑問視する声も多い。事実、総務省は56種類の基幹統計のうち22統計に手続き上の誤りがあったと発表しており、効果を証明するデータに不正があったとすると信ぴょう性は皆無である。

 

 論証・・・確かに近年の好景気により大企業の業績は伸びているため、大企業を対象とすると賃金は上昇しており、規制により労働時間は減少しているかもしれない。しかし、日本の全企業のうち大企業が占めるのはわずか0.3%であることを考えると、アベノミクスによる日本全体の労働改革は、私の周囲の発言から考えても効果がないと言わざるを得ない。

 労働改革の内容を見てみると、経団連への賃上げ要求や労働基準法改正による残業規制など表面的な対策にとどまっている。しかし、本当に必要なのは、賃金形態のプロジェクト単価制への変更や労働監査システムの変更による組織の改編といったより深いところでのアプローチが必要であると私は考える。

 また、少子高齢化が進み、労働力が不足している現代の日本では、女性労働の推進、定年の引き上げ、外国人労働者の受け入れに対する抜本的な改革が必要であるにもかかわらず、関連法の改正が議論されているだけである。

 

 結論・・・そこで私は、企業規模に関係なく可能な限り多くの企業を調査して問題点を抽出し、政策的な側面から解決策を考えていきたい。これにより中小企業の成長に労働の面から寄与することができ、さらには地方都市、日本全体の成長につながり、地方の人も中小企業に勤める人も含め、すべての人が豊かな人生を送ることができるような雇用・労働のあり方を考えることができる。

 

 結論の吟味・・・労働政策の研究は机上の空論になりやすいが、1年次から研究会に所属し、自分のビジョンの達成のために研究できる環境や、フィールドワークを通じて「実践知」を身につけられる環境がそろっており、現実に即した研究を行っていける。また、千谷真美子准教授は厚生労働省でのキャリアもあり、千谷准教授の研究会に所属することでより精緻な研究を行っていくことができる。

 また、多文化共生について研究する杉原由美准教授や組織について研究する琴坂将広准教授に教えを受けることで、その学びを私の研究に新たな視点を組み込んでいくことができる。慶應義塾大学SFCは、私の研究に最適な環境であり、だからこそ志望している。

 

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