■ 議論の整理・・・
地域づくりとは,一定地域の生活,産業,教育などに対する問題解決を具体的に図る活動をいう。しかし,近代化,高齢化が進むにつれ,地域の人と人とのつながりが薄れ,問題解決の機能が果されなくなっている。つまり,これからの地域づくりは,いかに地域内外の人や組織のつながりを紡ぎ,何らかの新しい活動を生み出していくかにかかっていると言える。つまりそれは,行政のようなトップダウンによる命令・管理・統制ではなく,人と人とのつながりや主体性を持った組織同士のつながりの相互作用によって,自律・分散・協調型の社会への転換が実現し,予期せぬ活動や事業が生まれ,地域の活性化につながっていくということである(*1)。
■ 問題発見・・・
では,変化著しい社会における,これからの地域づくりには,具体的に何が必要であろうか。
■ 論証・・・
そこで考えられるのが,貴学総合政策学部の飯盛義徳教授が検討されているプラットフォームである(*1)。ここでいう「プラットフォーム」とは,多様な主体が協働する際に,協働を促進するコミュニケーションの基盤となる仕組みや道具と定義されている。そこで人材育成を通して地域の活性化に貢献したいという思いから設立されたのが飯盛教授が理事長を勤める「鳳雛塾」である。鳳雛塾では,積極的行動力,戦略的意志決定能力などを養う目的のもと,独自のケースメゾットによって自立的に職務を遂行する力,人とつながる力,人を束ね方向づける実践力が身につくとされている。実際,当塾のOBOGらが作りあげたベンチャー企業やNPO組織が,数多くの地域において功績を残している。このように,ベンチャー企業やNPO組織を立ち上げるなど,参加者が主体性を身につけるための人材育成は,地域の活性化につながる有力な足がかりになることが期待される。
■ 結論・・・
そこで,今後更に進むであろう高齢化社会における,次世代の地域づくりのための,より効果的な「プラットフォーム」設計について研究を深めたいと考えている。
■ 結論の吟味・・・
貴学SFCでは,実践的かつ能動的なプロジェクトへの参加を主体としたカリキュラムが充実している。また,貴学の飯盛義徳教授は,「鳳雛塾」の運営をはじめとする人材力活性化活動を自ら実践するなど,プラットフォームデザインについての研究実績も多く,上述の研究に最適な研究環境であると考える。したがって,私は貴学SFCに入学し,飯盛義徳研究会に入会することを強く希望する。
(*1) 飯盛義徳.“地域づくりにおける効果的なプラットフォーム設計”,日本情報経営学会誌, Vol.34, No.3, pp.3-10, 2014
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