2013年度FIT入試第2次選考概要(B方式)
1.総合考査Ⅰの概要 •設問の内容:
以下の①~④の資料から読み取れることをもとに、それぞれの資料が示す各現象を同時に説明できる仮説を立てて説明することを求めました。
①「日本における糖尿病の推計患者数の年次推移(1980年~2005年)」(厚生労働省『平成20年患者調査』)
②「日本における自動車保有台数の年次推移(1980年~2005年)」(自動車検査登録情報協会『自動車保有台数統計データ』)
③「日本におけるコメの消費量の年次推移(1人1年当たり供給量) (1980年~2005年)」(農林水産省『平成22年度食料需給表』)
④「日本における男性肥満者(BMI≧25)の実数の年次推移(1980年~2005年)」(厚生労働省『平成22年国民健康・栄養調査報告』)
- 解答の形式:A3原稿用紙形式・400字以内。
- 試験時間:45分
参考URL:
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2127.html
https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv000000m1zm-att/r5c6pv000000m201.pdf
2.総合考査Ⅱの概要 •設問の内容:
「ある星から地球に視察にやってきた宇宙人が、次のような質問状を残していきました。
『地球でいちばん驚いたことは、地球人が国と呼ばれる単位に分かれて暮らしていて、国ごとに異なる制度の下で競い合っていることです。私たちの星には、国という制度ばかりか、その概念すらありません。そこでお聞きしたいのですが、地球人はなぜ国という単位に分かれて暮らすことを好むのですか?』
以上の質問状に書かれた問いに答える形で、宇宙人への返事を400字程度で書きなさい。」
- 解答の形式:A3原稿用紙形式・400字程度。
- 試験時間:45分
≪総合考査Ⅰ 解答例≫
【議論の整理・問題発見】
糖尿病は、尿中の血糖値が病的に高くなる病気のことで、予防には食生活を低糖質にし、運動不足を解消して肥満を予防することが効果的だとされる。「日本における糖尿病の推計患者数の年次推移」によれば、潜在数も含めた患者数はここ10年間有意な変化が見られない(総患者数は年々増加傾向にある)。また、「日本における自動車保有台数の年次推移」では、乗用車の保有台数は年々微増している。「日本におけるコメの消費量の年次推移」では、米の消費量は年々微減している。「日本における男性肥満者(BMI≧25)の実数の年次推移」はここ10年で全く変化していない。
【論証・結論】
以上のことから、日本の糖尿病事情は、総患者数が増加しているものの潜在数には変化がない上、男性肥満者の実数には変化がないため、車両数増大による運動不足の懸念は存在せず、米の消費量減少による食生活の低糖質化の流れの影響も受けていないものと考えられる。
≪総合考査Ⅱ 解答例≫
拝啓
地球ではよい日和が続いております。
宇宙人の皆様におかれましては、ますますご清祥のことと存じます。
ご質問の件、とても良い質問だと思います。例えば、宇宙人の皆様は母星でそれぞれ仲の良い集団に分かれて生活することは全く行わないでしょうか?国家制度とは別に、「仲の良い集団に分かれて独自のルールを決めて生活する」こともあるだろうと思います。そのようにした方が、困ったときにお互いに助け合うことができ、生活を便利にできるからです。この「気の知れた集団」が巨大になったものが国家という仕組みです。国家では、構成員の数がとても多いため、運営するためのルールが非常に厳格に定まっており、「気の知れた集団」の間での特有の自治がなされています。国家制度を利用すると生活が便利になるのです。
このようなたとえでお分かりいただけましたでしょうか?
それでは末筆ながら宇宙人の皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げております。
敬具
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