議論の整理・・・貴学の論文(※1)によれば、トマス・アクィナスの理論ではイデアと見做していい神の他になぜ神以外のものが存在しうるのか、に対し十分な説明を与えられない、としている。トマスにとって神とは、可能態ではなく現実態である。ここにおいてイデアではない。
問題発見・・・では本質はどこにあるのか、本質をもたらす可能態はどこにあるのか、を考えないといけなくなるのは自明である。
論証・・・マルクス・ガブリエルに代表される「新しい実在論」では現実態のみしか考えられていないように見受けられる。本質とは現実の中にのみ存在する、と考えられているような節が見受けられるのである。「全てが意味の場の中に生成する」というガブリエルの文言から類推するにそうである。
結論・・・そこで私は、「新しい実在論」の視点からトマス・アクィナスの存在論について読み直しをしたい。
※1上枝美典(2013)「トマスの神はエッセのイデアか」
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