慶應義塾大学 文学部 自主応募入試 志望理由書 提出例(市川崇ゼミ向け)

議論の整理・・・論文(※1)によれば、ジョルジュ・バタイユは人間は意識を持っているために、単なる事物の内在性を引き出し、超越化できるとされている。

問題発見・・・しかし、ではバタイユは人間が自然史過程の中で作り上げてきた社会機構についてどう考えていたのかは不透明である。

論証・・・なぜなら、人間が作り上げてきた社会機構も単なる事物に過ぎなく、社会機構の超越化ができるとすれば、それはマルクス主義やファシズムへと容易につながるからだ。しかし、バタイユはマルクス主義もファシズムも否定している。社会機構が事物であるのか違うのか、貴学の論文(※2)においては考察が不十分のように思われる。

結論・・・そこで私は、バタイユが人間が作り上げてきた社会機構を事物として捉えていたのか、それとも事物ではなく何か意識を持つ人間が関与する超越的なものの一種としてとらえていたのかを明らかにし、バタイユの思想に一貫性を与えたい。

※1森亘(2018)「G.バタイユにおける内奥性の概念ー超越した世界の当たり前化をめぐって―」
※2市川崇(2011)「シュル・ファシズムとネオ・ソシアリズム一パタイユ、ドリュ一(1)」

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