議論の整理・・・貴学の書評(※1)では、一般的にはトマス・ベケットが自身の死刑宣告に対し二重処罰禁止論という聖書の権威を借りて反論したとされているが、苑田亜矢「ベケット論争と二重処罰禁止原則」では二重処罰禁止論を持ち出さなかったとあり、さらにこの苑田亜矢の見解に対し教会法テクストのみを参照していることから議論が不十分だとしている。
問題発見・・・この議論を精緻化させることは極めて重要である。
論証・・・なぜなら、12世紀ルネサンスの更なる研究につながるからである。12世紀ルネサンスは一般に言われるルネサンスと同様、キリスト教以前の古典文化を復興させようとした運動であったが、この時点で、後々の宗教改革につながるような教会の絶対的権威が否定される萌芽があったとしてもおかしくないからである。
結論・・・そこで私は、12世紀ルネサンスの観点から、ベケット論争を研究したい。
※1吉武憲司(2014)「苑田亜矢著「ベケット論争と二重処罰禁止原則」」
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