■議論の整理・・・
近年の日本では、海外貿易を進める際、現地の企業や商社などを経由させず、日系現地法人を設立する流れが一般的になっている。それにより輸入・輸出コストを大幅にカットできるのみならず、企業内で大部分の手続きを済ませられる。事業の推進がスムーズになると共に、社内の人材育成も推進できるというメリットがある。さらには、東南アジアエリアでは、現地に自社工場を設立し、完全なローカル企業として商品の製造・販売を行うケースも目立っている。
■問題発見・・・
貿易をローカル化する近年の流れは、企業活動の効率性を高めるものの、日本経済にプラスの影響を与えているのだろうか。貿易構造の変化は、日本経済と現地経済に、具体的にどのような効果をもたらしているのだろうか。
■論証・・・
論文※1によると、1980年代後半から、日本企業による対外直接投資が増えている。それにより、企業内貿易を通じて産業内貿易が拡大した。その結果、日本の貿易構造は垂直型から水平型に転換した。それを踏まえて論文※1は、このような変化が日本の経済政策の効果に、どのような影響を与えているのが考察している。私は、家族でベトナム旅行に行った際、現地工場で生産された日本商品を数多く見た。従来の「日本で製造して輸出する」パターンは減少するという、貿易構造の変化に直面していると考えた。
■結論・・・
この経験から私は、ベトナムにおける日系現地法人の進出に注目し、貿易構造の変化が日本と現地に与える効果を考察したいと考えた。とりわけ現地工場の設立は、現地への納税額の増加や、現地スタッフの雇用による所得拡大を促す。一方、日本にもたらされる経済効果も変動しているはずである。それらを経済データやアンケート調査を通じて解明する。
■結論の吟味・・・
そこで私は、経済がグローバル化や国際貿易の進展が日本に与える影響について研究している横山将義ゼミに所属することを希望する。
論文※1横山将義(2003)「貿易構造の変化と経済政策の効果」『早稲田商学』397号
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