上智大学 総合人間科学部 特別入試 志望理由書 提出例(吉村聡ゼミ向け)

■ 議論の整理
インクの染みのようなシンメトリーで抽象的な図形を見て連想するものを答える「ロールシャッハ法」は、投影法と呼ばれる心理テストの1つである。最初にロールシャッハ法を知った時、私はどのようにその人のパーソナリティや問題点をあぶりだすのか疑問を持った。そして、調べるうちに、手順、回答の分析のための指標や解釈方法、クラスター分析の方法などが細かく規定されていることを知り、関心を深めた。知る前はもっと単純なものだと勝手に思い込んでいたが、私だけではなく、同じようにロールシャッハ法の意義や意図、信憑性については、一般的にはあまり知られておらず、方法論に対する誤解や偏見もあるだろうと感じた。

■ 問題発見
吉村教授は、この検査において最も重要な点は、曖昧な刺激にどのように対応しているのかを精査することで、対象者が外的世界をどのように切り取り体験しているのかを知ることにあると言う。さらに、問題解決や他者との関わりへの向き合い方など、自我機能の総合的なアセスメントが可能であり、これにより詳細なパーソナリティや病態水準の理解が可能になると言う※。では、心身の発達が著しい子どもの臨床現場でも大人と同様に実施できるのであろうか。またどのような点が有効で、どんな配慮が必要であろうか。

■ 論証
吉村教授は先行研究だけでなく臨床経験を通して、結果の変動しやすさも子どもらしさの1つのサインとして捉え、対象者が検査者との関係や場面をどのように体験したのかを考えて結果を解釈する必要があると言う※。私も、言葉でうまく自分の思いや状況を伝えられない子どもの心理検査において、ロールシャッハテストは有効であり、より子どもの発達段階をふまえた解釈が可能になるよう、開かれていくべきだと考える。

■ 結論
そこで私は、ロールシャッハ法の方法論と解釈を学ぶとともに、変化の途上にある児童青年期の対象者向けの実践や評価、配慮の方法について研究を深めたい。

■ 結論の吟味
上記の目的のために、児童青年期におけるロールシャッハ検査の可能性についての研究を蓄積されている貴学の吉村聡教授のゼミに入会することを強く希望する。

※吉村聡. (2019). 児童青年期精神科臨床とロールシャッハ法. 児童青年精神医学とその近接領域, 60(3), 328-333.

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