■議論の整理・・・
一般的に「のれん」とは、お店の軒先にかかっている、屋号などが書かれた布を指す。それを会計用語では、企業のブランド、社長の経営力、立地の良さなど、目に見えないものをあらわす。財務諸表に、のれんによる利益の上昇は含まれているが、明確に表現されているわけではない。しかしのれんは、収益の上昇に大きくかかわっている。そのため、企業の将来の成長を予測するうえで、それを客観的に評価することは不可欠である。
■問題発見・・・
M&Aが実行されるとき、のれんとして算出された価値が適切でなければ、企業に悪影響を与えかねない。そこで、現代の環境にあわせて、評価する方法を確立する必要があるのではないか。
■論証・・・
論文※1では、のれんにかかわる認識の基準の変化を、歴史をさかのぼり調査している。その結果、時代と共に変化している点、変化していない点があることを明らかにした。そのうえで、それを現金化するのか資産化するのか、会計処理の基準を確定することの難しさを指摘している。カリスマ経営者によるベンチャー企業の立ち上げと、収益目的の事業売買が増えている今、のれんの評価をあいまいにしておくべきではないと、私は考える。
■結論・・・
そこで私は、事業譲渡でのれんを客観的に評価する方法を研究したいと考える。そして、M&Aおよび企業を評価する方法を総合的に学び、現在の企業を取り巻く情勢にあわせて、適切な金額を算出する方法を見つけ出したい。
■結論の吟味・・・
そこで私は、会計処理におけるのれんの位置づけや評価方法について、さまざまな視点から研究をすすめている山内暁教授のゼミに参加することを希望する。他のゼミ生の研究からも学ばせてもらい、自分の関心を深めていきたいと考えている。
論文※1山内暁(2013)「国際財務報告基準における自己創設無形資産に係る認識基準の変遷 -近時の議論からみる変容なき変化-」『早稲田商学』434号(早稲田大学)
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