上智大学 総合人間科学部 特別入試 志望理由書 提出例(横山恭子ゼミ向け)

■ 議論の整理
小児医療の現場において、病気を抱える子どもとその家族に対する心理的援助は、今後ますますその必要性を増すと思われる。特に、その身体的苦痛はもちろん、病気であることを理由に受ける偏見や排除、将来への見通しが立たない不安といった社会的な苦痛と向き合うことは、子どもの発達段階においては多大な困難を伴うからである。

■ 問題発見
細田※によるとアメリカでは臨床心理学の一分野として の小児心理学の位置づけが確立されており、小児臨床心理士の教育システムも確立している。 その体制のもと、アメリカでは全小児医療病院において心理的援助が導入されているが、日本においては2006年の調査で全国の小児科(精神科含む)のうち常勤心理士が配置されているのは約4割にとどまる。心理士の導入自体の数値は徐々に伸びてはいるものの、京都府内の小児科を対象とした調査では、心理士が実際に治療に関わっているという回答はわずか18%にとどまっている。

■ 論証
日本の医療体制においては、心理的援助や福祉的援助への橋渡し役を担っているのは医療相談員であるが、今この分野において求められているのは、医療者としての専門性が高く、他の疾患との関連性で治療に当たれる臨床心理士である。
日本の現状を改善するためには、小児医療における心理的援助の実績をつぶさに洗い出し、その効果と必要性を実証していくことが緊急の課題である。 また、心理士の配置が現在は病院の個別裁量に任されているという状態を改善するためには、日本においても小児医療における心理的援助が一研究分野として確立される必要がある。

■ 結論
私は将来、子どもとその親の心理援助に携わりたいと考えているが、同時にこの分野の先進国の心理士養成システムを研究し、日本における養成システムとそのプログラム開発に貢献したいと考えている。

■ 結論の吟味
上述の視点を踏まえ、小児医療の精神的ケアサポートについて学ぶために、この分野で実践者としても研究者としても先駆的に取り組んできた貴学の横山恭子教授のゼミに入会することを強く希望する。

※細田珠希(2011)「小児医療における心理的援助に関する調査研究 一米国との比較から一」 『小児保健研究』 第70巻 第4号

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