北里大学 医学部 2017年 小論文1日目 解答例

平成二九年北里大学医学部一日目

問一

新薬を開発するためには、愚かであれ

 

問二

筆者は新薬創生に携わっているが、新薬創生には「愚か」であることが重要だと筆者は考えている。頭の良い人は「やる前から結果は見えている」と考えて実験を実行しないことが多いのに対し、愚かな人間は「やってみなければ判らない」という態度を貫き、実際に実験を遂行する。そのため、実験を実行した愚かな人間のみが常識とは違った発見に遭遇することができ、開発の鍵を握ることができるのだ。また、実験で予想外の結果が出たときに、それに敏感に反応して新しいことを発想できるセレンディピティーという能力も、愚かであるからこそ持てるものだと言える。実際筆者自身も愚直に開発を続けたからこそアクテムラという新薬を開発できたとの自負がある。このような考えを以前から抱いていたため、ジョブズが卒業式で「stay foolish」と口にしたという新聞記事を目にしたとき、筆者はジョブズが自分と同じ考えを持っていることにとちょっぴり嬉しくなったのである。(398字)

 

問三

・議論の整理

筆者は自身が自己免疫疾患の新しい治療薬であるアクテムラを開発し、新薬を発明するという夢を叶えることができた理由として、愚直に努力を重ねることが重要であると述べている。筆者は、利口な人ならやらないような「抗体を自己免疫疾患の治療に活用する」という非常識な着想を一度確信したため、その信念を貫き、あきらめないで粘り強く挑戦したからこそ新薬を開発することができた。

・問題発見

私は筆者の述べる「あきらめずに愚直に努力を続けることの大切さ」を、これからの人生において勉強を続けていく姿勢に活かしていきたいと考える。

・論証

私は医師になろうと現在勉強を続けているが、医師という職業は医師免許を得た後でも職を続ける限りは毎日勉強を続けないといけない職業である。医療技術は日々進歩を続け、続々と新しい治療法やアクテムラのような新薬が登場するし、医師と患者の関係性も時代によって移り変わり、常に最善の関係性が模索されている。医師として働くにつれ、時には興味をもった分野の研究を始めることもあるだろう。このように日々勉強を続け、アンテナを張り続けて自らをアップデートしなければならない医師という職業を目指すにあたり、筆者の述べる「愚直にあきらめずに挑戦する」精神は非常に大切だと考える。

・結論、結論の吟味

よい医師になるための利口なやり方は存在しない。医師となったのちも現状に甘んじず、日々愚直に勉強を続けられる「愚かさ」は医師として必要な能力である。他人に愚かだと批判されたとしても、自らの考える理想の医師像を目指してひたむきに努力を続け、あきらめずに邁進し挑戦し続ける姿勢を今後の私の人生で貫いていきたいと考える。その愚直さの過程で、筆者のようにわくわくするような発見が得られたとしたら幸せである。(741字)

 

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