慶應義塾大学 経済学部 小論文 2011年 解説

・ 問題文

A、課題文のなかで、筆者は、現在の日本における大学教育の何が問題で、今後どのような変化が必要であると述べているのか、200字以内で説明しなさい。

B、現代社会で起こっている解決すべき課題の具体例を一つあげ、それに対処するために大学で学んだことがどのように役立つと考えられるかを、400字以内で述べなさい。その際、課題文で述べられている「教養教育」と「職業教育」の特長に関連付けなさい。

・ 模範解答

2011A(結論・根拠・具体例)

結論……

筆者は教養教育に偏向した大学教育が問題であるとし、今後は職業教育を重視していくべきであるとしている。

根拠……

なぜなら、現在大学で履修する内容と、卒業後の職務内容に関連性が乏しいために、早期に離職する新卒者が増えているためである。

具体例……

たとえば、人文科学系の学部や、社会科学系の学部の卒業者は、卒業後の職務内容で大学で学んだことを使うケースが極めて少ない。こうした問題を解決するために、大学教育の中心を職業教育として、文系学部の統廃合を押し進めるべきであると筆者は述べている。

2011B(5STEPS)

議論の整理……

大学で行われる教育の中には、「教養教育」と「職業教育」が存在する。ここでの教養教育とは、基礎的な分野の学問を修めることで、不定形な問題解決に資する教育である。一方、職業教育とは卒後の勤務にすぐ役立つ教育である。

問題の発見……

ここで私が問題視したいのは、日本の英語教育である。

原因の分析……

日本の英語教育においては、文学作品から引用されたの難しい構文の解釈などの教養教育に偏る傾向が強い。結果として、日本の新卒者はビジネスの現場で即戦力たりうる四技能(読む・聞く・話す・書く)の能力に著しく欠ける傾向がある。

解決策or結論の提案……

解決策or結論としては、日本の英語教育を、教員の趣味が色濃く反映された教養教育から、読む・聞く・話す・書く能力の向上に焦点を絞った職業教育へと大胆に転回することである。

解決策or結論の吟味……

これにより、諸外国に比べ一気に後れを取っている語学力に代表される国際競争力を向上させ、日本発のビジネス展開を促進し、税収を増やすことで、現在では財源が乏しい基礎研究の分野にも多くの予算を避けるようになるだろう。

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