慶應義塾大学 経済学部 入学試験 2007年 小論文 解答例

■ 設問

A.

資料1で示されている実験の方法,およびその結果を示した三つの図から,1969年と1979年の間で,子どもの脳の発達過程に関してどのような変化がおきたかを300字以内で説明しなさい。

 

B.

設問Aであなたが答えた1969年から1979年への変化の傾向は現在でも同様に続いていると思うか,あるいは続いていないと思うか,資料2を参考にしてあなたの意見を述べなさい。これに対して何らかの社会的方策が必要であると考えるときは,その方策を具体的に述べなさい。もし何の方策も必要でないと考える場合には,その理由を述べなさい。以上を300字以内で解答しなさい。

 

設問A.

ここでは,与えられた三つの図を,その時点における「学齢」と「脳の発達の社会的傾向」との相関を示すデータとみなす。1969年時点では,幼児期に既に活発型に達している子供はごく僅かであり不活発型か興奮型が大多数を占めるが,いずれも成長するにつれて活発型へと順調に発達している傾向が認められる。しかし1979年になると,脳の発達は1969年時よりも早熟となり小4で早々にピークを迎えるものの,その後は一転して成長とともに活発型が減少し,興奮型と不活発型の合算が占める割合が増加している。これは学齢と脳の発達がしかるべく連動していないことを意味する。つまり,脳の発達過程に変調をきたしていることを示唆している。(原稿用紙で295字相当)

 

設問B.

■ 答案構成

議論の整理→ 大脳発達の変化は続いている

問題発見→ なぜ続いているのか

論証→ 運動する機会や実体験の減少

解決策or結論→ 人とふれあい,体を動かす機会を増やす

解決策or結論の吟味→ ×

■ 答案

議論の整理→ 大脳発達の変化は続いている

設問Aで述べた「変化の傾向」は,現在も顕著に続いていると考える。

問題発見→ なぜ続いているのか

では,それはなぜ今も続いているのだろうか。

論証→ 運動する機会や実体験の減少

1979年時に比べて,今日の人々の暮らしはより便利に,より豊かになった。子供らは,買い与えられたゲーム機でゲームに興じる時間が長くなり,体を動かす機会も人と直接関わる時間も減らしてきた。つまり,当時と比べて「前頭葉をますます運動不足の状態」にしているのである。

解決策or結論→ 人とふれあい,体を動かす機会を増やす

この状態を打破するためには,子供らに体を動かし人とふれあう機会をもっと与えるべきである。そのために,地域の住民とのふれあいや実社会との関わりを持つきっかけとして,地域ボランティアへの参加や職業体験の機会を積極的に作るべきだと考える。

解決策or結論の吟味→ ×

 

 

設問Aで述べた「変化の傾向」は,現在も顕著に続いていると考える。

では,それはなぜ今も続いているのだろうか。

1979年時に比べて,今日の人々の暮らしはより便利に,より豊かになった。子供らは,買い与えられたゲーム機でゲームに興じる時間が長くなり,体を動かす機会も人と直接関わる時間も減らしてきた。つまり,当時と比べて「前頭葉をますます運動不足の状態」にしているのである。

この状態を打破するためには,子供らに体を動かし人とふれあう機会をもっと与えるべきである。そのために,地域の住民とのふれあいや実社会との関わりを持つきっかけとして,地域ボランティアへの参加や職業体験の機会を積極的に作るべきだと考える。(原稿用紙で297字相当)

AO入試・小論文に関するご相談・10日間無料添削はこちらから

「AO入試、どうしたらいいか分からない……」「小論文、添削してくれる人がいない……」という方は、こちらからご相談ください。
(毎日学習会の代表林が相談対応させていただきます!)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です