慶應義塾大学 経済学部 小論文 2013年 解説

・ 問題文

A. これら2つの新聞の社説(I • II) には, 見解が異なる部分と同じ部分がある. 両者の見解の異同について200字以内でまとめなさい.
B. 原子力発電所の再稼働問題を例にして, 仮にその賛否についてのあなたの意見に対し異なる意 見を持つ友人から批判を浴びたとしたなら,どのようにしてその対立を乗り越えようと考えるか. あなたの意見の内容と,それと異なる意見の内容(どのような意味で異なるかに言及するとと),および対立の乗り越え方について400字以内で具体的に述べなさい.

・ 問題の解き方

 Aについて、見解の同じ部分と異なる部分を書く問題である。見解の同じ部分については、議論における共通の前提や共通の理想を書き、違う部分については共通の理想に至るまでの方法論の違いを書けば良い。

 Bについては、5STEPsで書けば良い問題。議論の整理の部分で、友人と自分の意見の異同を整理し、友人の意見を問題提起として紹介し、論証をし、最終的に自分の意見が最良の解決策or結論になる旨明記し、その解決策or結論を吟味する構成が良い。

・ 模範解答

A

共通の前提→

日経・朝日両紙とも、原子力規制委員会の人選が、今後の安全基準の策定に強い影響力を及ぼすという見解を示している。

議論の論点→

特に朝日新聞は、原発を再稼働する際のプロセスを強く問題視し、最終的な原発撤廃も含めた議論を展開している。また委員の人選に関しても、電力会社などの影響を排するように求めている。一方、日経新聞は原発を再稼働しないことのリスクに「年間三兆円の国富」という具体的な数字に紹介しつつ触れている。

B

議論の整理……

私も友人も、日本経済がますます発展することを望んでいる。だが、日本経済を発展させるための原発との向き合い方に関しては、アプローチが異なる。

問題発見……

私は、原発の抱える危険性は、日本経済の発展に取って大きなリスクだと考えている。

論証……

なぜなら、事故が起きた場合のコストを含めると、原子力発電は決して割安ではないからだ。たしかに、原子力発電は発電時のコストは安いが、事故が起きた場合のリスクも考えると、結局高くつく発電方法だと考えて良い。これに対し友人は、そうであっても今後事故が起こるリスクなどほとんどないのだから、原発を再稼働すべきだと主張している。

解決策or結論……

こうした意見の対立を乗り越えるために、私は原発を東京湾に建設することを提案する。

解決策or結論の吟味……

もし仮に、事故のリスクが主要な問題であるならば、人工密集地に原子力発電所が建設されても何の問題もないはずである。友人がそれほどまでの覚悟をもって議論をしているのであれば、私も原発建設に賛成したい。

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