早稲田大学 人間科学部 AO入試 志望理由書 提出例(佐野友紀研究室向け)

  • 議論の整理

近年わが国では東日本大震災、令和元年東日本台風などの大災害を経験し、その防災意識もこれ以上はないほど高まりつつある。しかしながら、想定の範囲を超える災害に遭遇したとき、冷静な判断ができる人間は少ない。特に、幼児や身体障碍を抱える人々のような災害時要援護者に対する配慮を個人に求めることは困難であると考えるべきであり、従って適切な避難誘導の方策を検討し続ける必要性がある。これまで建築計画学分野においては、ユニバーサルデザインを取り入れた非常経路の検討などが行われてきた。

  • 問題発見

このような避難誘導計画研究において近年注目されているのが情報技術の利用である。ロボットによる経路案内システムの可能性は以前から研究されており、佐野教授らはロボットによる誘導に対して人間がどのような行動を取るかについて、特に空間的な影響に着目して研究を行っている。また、VR・AR技術を用いた災害時空間の再現によって、適切な誘導灯の設置位置などを検討することも行ってきた。情報技術を用いた避難研究をさらに応用することは可能だろうか。

  • 論証

VR技術の防災訓練への応用は既に実用化されており、公民における採用がなされているが、それらが想定している対象は主に健常な成人男子であることが多く、避難のバリアフリー化という観点からは離れている。もしVR技術によって災害時要援護者の視点に立つことが可能になるのならば、あらゆる人間にとって適切な避難誘導計画を立てることができる。従って、まずは要援護者の動作特性のデータ収集から始めたいと考えている。

  • 結論

現行の建築基準法では、オフィスにおける災害時要援護者の避難は基本的に規定されていないが、情報技術によるデータの蓄積により弱者の視点をも取り入れた新しい施策を提案できる可能性がある。本研究はその一端を担うものだと期待している。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、建築計画学分野において空間と人間心理の関連をテーマに、避難計画に関する数多くの研究を行ってきた佐野教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

吉岡陽介、高橋正樹、渡辺秀俊、遠田敦、佐野友紀、林田和人 (2010) 「誘導ロボットに対する人間の追従行動」『日本建築学会計画系論文集』 75(652), 1399-1405

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