早稲田大学 人間科学部 AO入試 志望理由書 提出例(宮崎正己研究室向け)

  • 議論の整理

人間は生きていく上で出来る限り不快である物事を回避し、快を追求する。そこで、快適性を定量化することはモノづくりやサービスの提供において重要である。一般に生理的快適性は、脳活動、自律神経活動、内分泌活動、免疫活動の4つの指標によって評価することが出来る。これらはリラックス状態に際して有意な変化を生じるからであるが、その中でも脳活動計測手法として近年主流になりつつあるのが、近赤外分光法による脳前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度計測である。これは脳波測定と比較して、ノイズが少なく経時的な評価が可能であるという利点を持つ。

  • 問題発見

この手法を用いることで様々な刺激に対する人間の快適性評価が従来よりも手軽に行えるようになっている。例えば池井らは木材への接触がもたらす生理的なリラックス効果について、この指標と自律神経の活動指標を同時に計測することで分析を行っている。このような自然由来の刺激によるリラックス効果については検討すべき要因が多く、十分な研究データが蓄積されていなかったが、上記手法などの発達によって明らかにされつつある。それでは、このような自然セラピーによるリラックス効果をもたらす要因としては他に何が挙げられるだろうか。

  • 論証

宮崎によれば、そもそも自然セラピーが快適性をもたらすのは、常日頃から人工環境に置かれている現代人のストレス状態を自然環境への回帰によって解放するからであるという。従って、自然環境への没入度を上げることがリラックス効果を高めると考えられる。上述の研究では皮膚感覚から入力される刺激について検討を行っていたが、本研究では音による刺激について脳前頭前野活動と自律神経活動の同時計測により検討を行いたいと考えている。

  • 結論

本研究は近年関心の高まっている、自然セラピーの応用に有用な知見をもたらすことが期待できる。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、これまで感性工学分野において快適性の評価をテーマに数多くの研究を行ってきた宮崎教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

池井晴美 (2019) 「木材への接触が人にもたらす生理的リラックス効果」『森林科学』 86, 36-39

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