■議論の整理
NHKスペシャルでも特集が組まれるなど、不登校が社会問題として認識されるようになった。文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校生徒等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、平成30年度の不登校児童生徒の割合は、小学校で144人に1人、中学校で27人に1人だった。2013年から増加し続ける不登校児童生徒に対し、国も様々な対応を行なっている。スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの配置拡充や教育支援センターの整備に加え、不登校になった子どもに対する学校以外の場で学ぶ選択肢も提示されている。
■問題発見
子どもの自殺に対する危機感が社会の中で高まったことも、不登校の増加に繋がっていると考えられる。辛くても学校に行かなくてはいけないと画一的に学校に生かせるよりも、辛いのであれば他の選択肢を探すことを促せる社会の方が子どもにとっては安全である。しかし、近辺にフリースクールが無かったり、フリースクールに通う金銭的な余裕がなかったりと、学校以外の選択肢を持ち得ない児童生徒もいる。
■論証
2017年に施行された教育機会確保法では、不登校対策としてフリースクールについて明記された。しかし、フリースクールの公的支援は国や自治体に環境整備を求めたにすぎず、具体的な対応は自治体に任された。そのため、公的支援があるケースは少なく、月額で35000円程度かかるスクールが多い。しかし、公的な支援をする際には中立性が求められるため、フリースクールと一般の公立学校との差異を埋めなくてはいけなくなる。
■結論
すべての児童生徒が学校でうまく過ごせるわけではない。そのことを前提に、学校とそれ以外の選択肢がうまく連携し、すべての子どもが学習の機会を失わないようにすることが必要である。そのためには、学校側が他の組織と連携していくことが不可欠だ。
■結論の吟味
以上のような学校のありかたを考えるため、貴学教育学部教育学科に入学し、菊地栄治教授の研究会で学ぶことを強く希望する。
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