早稲田大学 文化構想学部 AO入試 志望理由書 提出例(井上文則ゼミ向け)

議論の整理・・・

過去のあらゆる文明は衰退してきた。それは栄華を誇ったローマ文明も例外ではない。4世紀後半に国力が衰退し、民族移動によって西ローマ帝国が滅亡したことで、ローマ時代は幕を閉じたとされている。この点について多くの研究者が研究を続けてきた中で、1980年代以降の学会ではローマ帝国の衰退について見方を変え、2世紀から8世紀まで継続する「古代末期」という時代概念が現れている。ローマ文明は衰退したのではなく、変化したのだという「文化の連続性」が新説の特徴である。P・ブラウン教授の主導により、この頃から社会史や心性史に研究の重点が置かれるようになった。ただし、新たな主張については20世紀後半特有の時代背景が反映されていることが指摘されている。例えば、ローマ文明を支える価値観に、現代の多文化主義の影響がある。また、新説における研究法では政治史の考察が疎かになっていることが指摘されている。

問題発見・・・

時代の捉え方が確固としたものでないのなら、異なる目線で時代概念を新たに捉え直すことができるだろうか。現在の時代概念は全体としてヨーロッパを中心に打ち立てられた説が軸になっている。そのため、アジア的なものの捉え方によって現在の時代概念を批判してみることで、新たな視点で歴史を捉え直すことを検討している。

論証・・・

時代の区切り方について、現在一般的とされているものがいつから使用されているのか調べ、学説の変化の過程や、他の時代区分の説を洗い出していく。その上で、ローマ帝国時代とその前後の時代について政治史や社会史、宗教史、心性史など様々な分野から時代を再考察していく。

結論・・・

上記について、地中海文化史に精通した井上文則教授のもとで研究を進めることを希望する。

『古代ギリシア・ローマ史における新しい「衰退論」構築に向けた統合的研究の試み』2014年

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