■議論の整理
平成29・30年改訂の学習指導要領では、「体験活動の充実」が改訂のポイントの1つに挙げられている。文部科学省は体験活動について、インターネットやテレビを通じて学ぶ「間接体験」、シミュレーションなどを用いて模擬的に学ぶ「模擬体験」以上に、自分自身の身体で実地経験する「直接体験」が重要だとしている。インターネットが身近になっている現在は、体験したかのような感覚を容易に得ることができる。そのため、手間がかかる「直接体験」は軽視されがちである。内閣府の『』によると、学校以外の団体が行う自然体験活動への参加率は減少傾向にある。このことから、自然体験の重要性が保護者や当事者児童・生徒に認識されていないと考えられる。
■問題発見
そのような状況下、学校教育の現場で「直接体験」の機会を作ることは非常に重要だ。しかし、学校の立地によって体験できる物事の差異が生まれることは防げない。その差異をどのようにして埋めるかが課題となるだろう。
■論証
身近に自然が少ない都市部の学校では、自然を体験が難しい。一方、都市部から離れた地域の学校が美術芸術鑑賞を体験する機会を得ることは簡単ではない。その地域独自の体験をしていくことは、地域への愛着を育みアイデンティティを形成する上で重要なことだが、だからといって地域による格差は見逃せない。
■結論
「直接体験」だけでは学べることに限界がある。VRなどの最新テクノロジーを活用すれば、今までよりもより「直接体験」に近い「擬似体験」をすることができるのではないか。私は、現代社会における子どもたちの学びに寄与できる体験学習のあり方を考えていきたい。その検証のためには、体験学習の重要性を明らかにすることから始めなくてはいけない。
■結論の吟味
以上のことから、貴学教育学部教育科初等教育学専攻に入学し、藤井千春教授の研究会で学ぶことを強く希望する。
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