早稲田大学 教育学部 外国学生入試 志望理由書 提出例(楠元範明ゼミ向け)

■議論の整理

教育が情報化されて久しい。電子黒板が話題になってから数年たつが、情報社会が発達していくにつれ、タブレット型の教育を導入する学校が増えたり、教科書やノートが不要で、すべてを電子化しようとする動きさえある。これらは一方で、非対面型の教育をも可能にするが、その反面、集団によって学ぶことができる利点や、道徳教育などとは違いが一致する側面もあるため、導入には慎重になる論者が多いだろう。

 

■問題発見

教育の情報化はどのような点がメリットだろうか。一つはデータ化しやすいということだ。一つの問題を採点するにも、自動で採点し、集計し、傾向を分析してくれる。これらは学習に関する教育者側の時間コストという問題を解決してくれることになる。また学習者側からすれば、遠方にいても学習できることなどの利点も存在するだろう。特に大学教育などで、入学前教育の一環として、情報機器を用いた遠隔授業などはこの典型だ。

 

■論証

では情報化された教育はどのようなデメリットがあるだろうか。それは学習プロファイルという問題だ。情報化されたデータがどのように活用されるのか、あるいは活用されてしまう危険性があるのかという問題に置き換えてもよいだろう。あくまでも教育者がその児童生徒を教育する場合、目前の教材に対する理解の進捗を見たいためにwebでテストをする。そしてそれは自動的に集約されて成績がはじき出される。しかしこれらが蓄積していくとどのような事態が起こるだろうか。

 

■結論

蓄積されたデータは、その人物を表すプロファイル資料として機能する。プロファイルされた資料は、蓄積されればされるほど、その人物を良い意味でも悪い意味でも表す資料となり、当該生徒の学習能力を表す指標となるだろう。それが単に学習点によるものに限らず、さらに適性判断ツールなども附属すると、一種の遺伝情報に変貌する。

 

■結論の吟味

これらが社会に流出し、たとえば就職活動に活かされるようになれば、今までの学習能力の蓄積が一目瞭然で開示されることになる。情報教育の持つ危険性はこのような点に存在する。「個人情報に関するこの議論は、著作権や遺伝子情報に似た性格を持っている。学習の本質、学習履歴の制度的な位置づけ、そしてその技術的なサポートなどの具体的な研究が、今後の課題として位置づけられるであろう」※1。上記のような観点で、情報教育とポリティカルコレクトネスとのバランスを考察していきたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1前野譲二・原田康也・楠本範明・辰己丈夫「学習履歴のネットワークを通じた利害調整」『第65回全国大会講演論文集』2003(1)

 

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