早稲田大学 教育学部 外国学生入試 志望理由書 提出例(池俊介ゼミ向け)

■議論の整理

教育が変化してきている。学習指導要領は改訂が予告されているし、来るべき知識基盤社会に向けて、新しい技能の必要性が叫ばれている。その中の一つにコンピテンシー教育がある。コンピテンシーとは、身に付けた知識や技術を適切に教科横断的に応用して実践する能力のことである。

 

■問題発見

従来であれば、知識を詰め込み、物をたくさん知っていることが学力であったが、AIの能力が向上している今、情報化社会の趨勢と相まって人間に何ができるか試されている。人間は物を知っているだけでは存在価値を失ってしまうかもしれない。知識や技能を使うこと、そしてそこから創発的な行為を行うことが人間に求められている。

 

■論証

コンピテンシー教育において、重要な指針を提出しているポルトガルの例に、「生徒のプロフィール」「必要とされる学習」がある。これらの内容は政府が公的に発行しているものであり、コンピテンシーを重視していることがうかがえる※1。細かく、どのような能力が地理教育において必要で、どの段階で身に付けるべきことか事細かに書かれたこの教育書は、日本のコンピテンシー教育にも有用な指針を与えてくれるだろう。

 

■結論

日本はアクティブラーニングというものがはやった。これが今では換骨奪胎され、「主体的で対話的で協働的な学び」などの言い方になっているが、どの能力をどのように身に付けたうえで、どのような方法で学ばせるかまでは細かくはない。モデルとしては欧米のコンピテンシー教育を目指している部分はあろうが、何をどのように教えるかは、実際は教師に任せられているのが現状だ。

 

■結論の吟味

日本の主体的な学びを深めなければいけないと感じている。そのためには、教師自身も新しい実情に合わせた創意工夫が必要であることが勿論だが、一方でまずはシステマチックに教育行政が創出していくべき部分もあるはずだ。そのような観点で教育業界に貢献したいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1池俊介「ポルトガルにおけるコンピテンシー重視の地理教育をめぐる近年の動向」『早稲田大学大学院教育学研究科紀要』30 2020

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