議論の整理・・・
瓦の起源は4500年ほど前のギリシャのペロポネソス半島とされているが、インドでも紀元前3世紀ごろには瓦が作られていた。板状で平面形が長方形なインド瓦は、オケオなどから出土しており、4世紀ごろには東南アジアに伝来していたということを示している。オケオ文化後期以降はインドで見られるオリジナルの瓦から派生して、後のクメール様式に近い瓦当のついた軒丸瓦が、ゴータップ遺跡、ゴーチュア遺跡、ゴータイン遺跡、ベンディン遺跡、カウハン遺跡、ベンカウ遺跡、カッティエン遺跡などから出土した。オケオより内陸のアンコール・ボレイでは6世紀ごろにインド瓦が発見されている。ゴートゥーチャム遺跡などにみられる木葉形の瓦は、板状で板面に数条の溝を保ちながら、平面形のみ木葉形となっている。つまり、メコンデルタに4世紀ごろ伝来したインド瓦は、内陸へ広まっていきながら、型式を変化させていったと考えられる。
問題発見・・・
瓦は中国でも2800年前から使用されており、インド瓦と異なり土管を分割する手法で作られていたことが分かっている。中国の瓦の影響は東南アジアにおいていつ頃から見られるようになってくるだろうか。
論証・・・
先行研究を参考にし、他の中国と東南アジアの交易の記録を参考にして仮説を立てる。その上で発掘作業に関わることを希望している。
結論・・・
上記について貴学文化構想学部にて東南アジア考古学に精通した田畑幸嗣教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。
田畑幸嗣「文化遺産の調査と保護—カンボジアでの取り組み」ソフィア第60巻(2号)p.87 – 1052012年12月-
田畑幸嗣「カンボジアにおける近年の考古学調査について」インド考古研究(33)p.51 – 602012年07月-2012年07月
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