早稲田大学 文化構想学部 AO入試 志望理由書 提出例(陣野英則研究会向け)

議論の整理・・・

平安時代に学問というものがどのように捉えられていたのかを研究するために、物語を読み解くことが一つの手がかりとなる。例えば、うつほ物語のなかで、大学生が上野の宮に貧困を訴える場面がある。彼らは、学才の有無ではなく出自の良し悪しによって評価が決まるということを嘆いている。上野の宮という変人に取り入ろうとする彼らは笑いを誘うような面白みを交えた調子で描かれることにも注目が集まる。また、源氏物語においては光源氏が大宮に学問の衰退を憂うる場面が登場する。「高き家の子」が学問から遠ざかりがちであると触れている。光源氏自身も学問にのめり込みすぎることのないようにと父親の桐壺帝から注意を受けている描写がある。学問の退廃と人材の質の低下について、当時の有識者が批判的な目線を持っていたと捉えることができる。

問題発見・・・

学問の退廃や人材の質については平安時代のみならず現代においても問題視する人はあるだろう。また、他国においても同様の視点は存在すると予想される。古今東西の学問の悩みは物語に現れているのだろうか。その行き着く先はどうなるのだろうか。

論証・・・

学問の退廃が問題として叫ばれる時代の共通項や行く末を研究することは、現代の我々にとっても意味のある研究であると考える。市民の意見が反映された、国や時代を代表する物語を中心に読み解くなかで学問の捉え方について把握し、学問の歴史や国の状況と照らし合わせて学びを深めていくことを考えている。

結論・・・

上記について貴学文化構想学部にて古典文学に精通した陣野英則教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。

陣野英則「物語文学にみえる学問『うつほ物語』と『源氏物語』の検討から」『専修大学人文科学研究所月報』/専修大学人文科学研究所272,pp.11-34201409

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