早稲田大学 文化構想学部 AO入試 志望理由書 提出例(水谷八也研究会向け)

議論の整理・・・

トーンソン・ワイルダーはアメリカの代表的な劇作家である。ハーバード大学で詩学の教授をしていたこともあり、教養に裏付けられた素材の豊富さと、温厚で肯定的な人間観、斬新で革新的な手法に定評がある。彼が認識していたアメリカニズムは他のアメリカ劇作家とは異なる部分があり、神秘主義やtranscendentalismの兆しが見られることが指摘されてきた。彼は、ガートルード・ステインに影響を受けていることが知られている。ワイルダーはフランスにステインを訪ね、その時の滞在が彼の特異な表現形式の作品”Our Town”に影響を与えたことが確実視されている。この作品ではアメリカの地理的・歴史的な認識に個人という感覚が絡み合っている。ここでいう個の認識の底には宗教的な感覚や畏敬の念も含まれるとされ、ワイルダーがステインとの交流の中で見出したものである。

問題発見・・・

それぞれの劇作家がアメリカらしさというものを認識するプロセスにはどのようなものがあったのだろうか。

論証・・・

上記について明らかにするために、アメリカの代表的な劇作品に見られるアメリカニズムの系統を分類分けし、それぞれについて生い立ちや歴史的事件、土地柄などを参考に、個人が自国らしさの認識を獲得していく過程を明らかにしていくことを考えている。

結論・・・

上記について貴学文化構想学部にて20世紀英米演劇に精通した水谷八也教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。

水谷八也「Thornton Wilderの”The Wreck on the Five-Twenty-Five”」鶴見大学紀要35, pp.47-721998年03月-

寺門泰彦、渡辺信二、武田千枝子、佐藤千春、矢作三蔵、水谷八也 編著『アメリカ文学案内』朝日出版社2008年 10月-

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