早稲田大学 文学部 AO入試 志望理由書 提出例(沖清豪ゼミ向け)

■議論の整理

教育格差が叫ばれて久しい。教育格差は単に勉強ができる出来ないという格差ではなく、家計維持者の収入によって、教育機会に格差が出るとか、学習者本人の責任によらない教育の格差のことである。近年日本でも話題になってきている問題だが、いまだ是正には至っていない。

 

■問題発見

一方、解決されているとは言えないが、いちはやくこの教育格差の問題に注目し、取り組んできたのは英国の例である。英国は「シュワルツ報告」という学習に関する報告によって、教育かっくさの公正・公平性を保とうと尽力してきたし、もっとも高大接続という観点で、大学側の教育をいかに中等教育において、継続性をもたせるかをラディカルに考案しているといえる※1。

 

■論証

日本も現在、学習指導要領が改訂され、これから移行期間を経て、順次実施されていくことになる。また大学入学選抜試験も従来のセンター試験から、思考力判断力を適切に図るために大学入学共通テストという名称に変更され、高大接続をより意識するようになっている。

 

■結論

高等教育の維持が国家的なプロジェクトとして第一義的に優先されるべきだ。高等教育の質をさげるわけにはいかないのだから、高等教育が身に付けていてほしい中等教育を念頭に置いて高大接続はされるべきである。ということは、その基礎力が高大接続の中身として構築されるべきだし、ひいては、その能力を育成することを阻害する要因があれば、それは教育機会の不均等として弾圧されるべきだと私は考える。

 

■結論の吟味

たとえば、国語の問題で、複数の資料を読みことが大切だとする。しかし、一切新聞を読むことができない家庭の子たちが、よく新聞を目にする機会のある家庭に比べて、複数の資料を見ることは得意になるはずだ。このような観点で教育格差の是正を考えることは実は理にかなっているし、目的も明確だ。教育格差を是正するのは、金銭的な援助だけではない。学習するための道具を保証することだという目的を忘れないようにすべきだと私は考える。上記のような教育格差の問題を突き詰めて考えてみたいと思い、貴学への入学を希望する。

 

※1沖清豪「英国における高大接続改革の背景:高等教育への機会の公正・公平性をめぐって」『早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌 WASEDA RILAS JOURNAL』7 2019

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