上智大学 神学部神学科 AO入試 森裕子ゼミ向け

  • 議論の整理

キリスト教文化と音楽の結びつきを考える上で、ミサ曲の歴史を見ていくことは重要である。このような教会音楽は、近代化に伴っていわゆる「世俗化」の影響を受けたのであるが、その反動として生まれた19世紀半ばのセシリア運動はいわば近代化という強力な時代の流れに対して礼拝をどのように捉えるのかという枠組みにまで広げて考察することが出来る。このような進歩性と保守性の葛藤を抱えた当時のキリスト教音楽の在り方を体現したような当時の批評家に、アルベルト・ゲレオン・シュタインがいる。

  • 問題発見

セシリア運動の一端を担っていたシュタインであるが、彼はハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの三巨匠による大規模なミサ曲を単に否定したのではない。その主観性の強さが教会音楽としてそぐわないとしただけで、カトリックの礼拝に収まらない宗教性を認めているのである。その視点は他のセシリア運動の批評家とは一線を画すものであった。伝統を遵守しつつも新しい芸術にも理解を示す彼の二面的な態度は現代のキリスト教音楽にどのような影響をもたらしたのだろうか。

  • 論証

清水はその論考の中で、シュタインの音楽論を分析することで彼の態度に迫ろうとしている。論考において、シュタインは音楽を「感情によって構成された芸術」だと捉えており、その音楽思想は、人間形成を感情から始まり悟性を経て理性へと発展していくとしたザイラーの影響を大いに受けたものだと論じている。つまり、シュタインにとって音楽は人間形成のための手段であり、最終的な目標は音楽によって育てた正しい理性によるキリスト教理念の理解という「教化」にあったのである。本論では、シュタイン以降のキリスト教音楽批評家を彼の音楽思想の影響という視点から論じていきたいと考えている。

  • 結論

この論考を通じてキリスト教音楽の正しい理解に努め、現代の教会音楽について自身の意見を構築していきたい。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、これまで貴学において西欧の音楽理論と実践からキリスト教音楽を考察してきた森教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

清水康宏 (2018) 「「教会音楽」と「宗教音楽」─アルベルト・ゲレオン・シュタインの教会音楽論─」『音楽』 64(2), 113-126

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