2020年 上智大学公募推薦入学 神学部・神学科 小論文 解答例

議論の整理(要約)

引用1と引用2はともに、罪、福音、救済について問題提起している。ユダヤの世界では、徴税人は罪人に位置づけられている。引用1は、徴税人ザアカイの家にあえて泊まることでイエスが福音を伝え、それによりザアカイが救われるという話である。引用2は、女性が姦通の罪があると責められているとき、石を投げられるのは罪がない者だけだとイエスが伝えたところ、誰も石を投げられなかったという話である。

問題発見

イエスがこの行いや言葉によりもたらした福音と救いはどのようなものなのだろうか。

論証

引用1のザアカイの話と引用2の女性の話に共通することは、人間は等しく罪深い存在であり、同時に救われるべき存在だというイエスの福音である。ザアカイは、徴税人として人々からお金を徴収し、たくさんの富を蓄えていたため、人々から嫌われていた。女性は姦通の現場で捉えられ、人々から石で打ち殺されそうになっていた。

どちらも、富を独り占めている、姦通しているという点で、罪深い存在である。しかしイエスは、ふたりを責める者たちも等しく罪深い存在である、そして、すべての人間は救われる存在であると考えた。そしてイエスは、福音を説くのではなく、行動により救いに導いた。ザウカイには家に宿泊すること、女性にはイエス自ら許すことで、間接的に福音のメッセージを伝えたのである。

ふたりは、イエスの具体的な言葉ではなく、イエスの行動を目の当りにすることで、心が自然と変わっていった。そばにいることで自然に回心する、これがイエスの救いなのである。

結論

罪深い者を罰する、排除するだけでは、人間が救われることはない。イエスが大切にしたことは、すべての罪を許す心を持つことである。許されていると感じられれば人間は変わることができる。だからこそ、主と共にいるという感覚や気持ちを持ち続けることが大切であることを、ふたつの引用は伝えている。

吟味

ザアカイの話は徴税人=罪人とされる職業差別、姦通の話は女性だけが罪に問われる性差別など、社会的問題を提起している点も気になった。(858文字)

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