設問
1.上の文章の要旨を400字以内にまとめなさい。
本文では、ソクラテスとヘルモゲネス、クラチュロスの三人によって、指示されている対象とその名前の正しさに関する議論が紹介されている。クラチュロスは、ものの名前が名付けられた事物の本性に根差すため、言語は自然に意味を持っていると主張する。そのため、いかなるものでも正しい名前は一つしか持っておらず、これはギリシャ語のみならず、世界中の言語に該当すると主張している。それに対してヘルモゲネスは、名前は単に約束・話し手同士の同意によって事物を表しており、事物と名前の関係性は流動的で変動するものであると主張している。
ソクラテスはギリシャ語の一つ一つの音を例に、言葉が事物の本性を表すというテーゼに反論していく。彼は「約束も習慣もともに、わたしたちがものをいうとき思い浮かべているもの表示にとって役立つことを認めざるを得ない」と結論し、言葉は事物の本性まで含めて正確に模写することはできない、と結論づける。(398字)
2.上の文章で言及されている言語観について、自分の意見を400字以内で述べなさい。
議論の整理→言語の本質について
クラテュロスは、名前に含まれる情報こそが唯一重要で、それは間違い得ないと主張したが、それに対しソクラテスは、言語は事物の本性までを表すことはできないとした。
問題発見→コミュニケーションには言葉以外にも、歴史や文化への理解が必要ではないか?
これは言語の使用とコミュニケーションに繋がる問題であるといえるのではないだろうか。つまり言語だけでなく、それが使われる社会や文化への理解がなければ、言語を使ってコミュニケーションをすることができない、と言い換えることができるのではないか。
論証→外国語学習
たしかに外国語を学ぶとき、単に文法や単語を学ぶだけでも、一定の会話は可能であるし情報を収集することもできる。しかしその国の文化や歴史に対する理解がなければ、本当の意味で「言葉を使った」とはいえないだろう。
解決策or結論→歴史や文化を含めて理解することで他者とのコミュニケーションが可能になる
歴史や文化を総合的に理解してはじめて、外国語が理解できたといえるのではないだろうか。
解決策or結論の吟味→結論を吟味する
コミュニケーションが他者の存在を前提としていると考えると、ソクラテスの主張には一定の賛意を表することができるといえる。(400字)
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