「上智大学 文学部 哲学科 カトリック高等学校特別入試 2018年 小論文 解答例」

■設問

Ⅰ 次の文章は世界史上有名な文章の冒頭部の日本語訳である。この文章からは色々な哲学的問いを読み取ることができる。それを3つあげ、そのうち1つについてあなたの考えを自由に述べなさい。回答用紙を2枚使い、問いも含めて、600字以上800字以内に収めること。

■答案構成

5STEPで書く

議論の整理→ 哲学的な問いの羅列

問題発見→ 全ての人間は生まれながらにして平等なのか

論証→ 身体障碍者や黒人は、自由や権利に制限がかかる

解決策or結論→ 全ての人間は生まれながらにして平等とはいえない。

解決策or結論の吟味→ 特有の優れた能力

 

議論の整理→ 哲学的な問いの羅列

1つ目の哲学的な問いは、全ての人間は生まれながらにして平等であるのかということである。2つ目の問いは、全ての人間に、生命、自由、及び幸福の追求を含む不可侵の権利が与えられているのか、ということである。3つめの問いは、全ての政府が樹立される際に、統治される者の合意に基づいて正当な権力を得るような仕組みとなっているのか、ということである。

問題発見→ 全ての人間は生まれながらにして平等なのか

このうち、私は、全ての人間は生まれながらにして平等であるのかという問いに答えたい。

論証→ 身体障碍者や黒人は、自由や権利に制限がかかる

例えば、生まれつき目が見えない人も一定数存在する。目だけでなく耳が聞えなかったり、手足が一本無かったり、いわゆる身体障碍者である。また、世界を見ると、以前として、白人の黒人に対する差別も存在している。アメリカなどでは黒人は白人から暴力を受けている。つまり、身体障碍者や黒人は、そうでない人たちと比べて、自由や権利が制限されていると言える。

解決策or結論→ 全ての人間は生まれながらにして平等とはいえない。

こうした事情を考えると、すべての人間は生まれながらにして平等であるとは言えないだろう。障害を持っていない大多数の人が享受できる様々な娯楽を、障害のある人は受け取れないのである。耳が聞えなければ、素晴らしい音楽を楽しむことが出来ないし、耳が聞こえなければ、傑作の映画を観ることも出来ない。

解決策or結論の吟味→ 特有の優れた能力

身体障碍者や黒人は権利や自由に制限が課せられているが、その反面、常人では考えられない様々な能力を持っている人と論じる人もいる。例えば、全盲のピアニストのように、芸術分野で能力に花を咲かせる身体障碍者もいる。さらに、黒人の多くは身体能力が白人より優れている。しかし、そのことをして、全ての人間が平等であるとは言えないだろう。この世の多くの制度は、多数派が過ごしやすいように作られている。

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