2019年 上智大学編入学試験 外国語学部・フランス語学科 小論文 解答例

議論の整理(要約)

フランス語圏国際機構の統計によると、日常的にフランス語を話している人の数は世界第11位。さらに公用語となっている地域の数は英語に次ぐ2番目となっている。フランス語は、世界的に見ると英語に続いて重要性が高い言語であるものの、英語とのあいだにはかなりの開きがあり、その差は今後も開き続けると予想される。

問題発見

そうした現状を踏まえると、英語が世界共通語として機能すれば、フランス語および他の言語は必要なくなるのだろうか。

論証

私は、英語が世界共通語として君臨していても、フランス語や他の言語の重要性は下がらないと考える。言語とは、その国の文化や歴史のひとつである。つまり、英語もフランス語もその他の言語もすべて、各々の文化や歴史の一端を担っているからである。

その点について、日本を例に考えてみる。英語だけを話せればいいとなり、日本語を学ぶ外国人がいなくなったら、どのような変化が起こるだろうか。日本には、日本特有のあいさつやお礼、謝罪、質問など、英語にそのまま翻訳することが難しい言い回しや表現がある。外国人が、日本語ではなく英語スキルが評価されて就職したら、言葉そのものは通じても振る舞いが不自然になり、コミュニケーションがうまく取れなくなる可能性がある。

フランス語の場合も、それが形づくられていく過程で、風土や歴史、価値観などが反映されている。そのため、英語があるのでフランス語を学ぶ必要がないと考えたら、フランス語圏の文化に触れる機会がなくなる。言語の継承は文化や歴史の継承と同じである。特定の言語を必要ないものとして排除することは、文化や歴史を断絶させることと変わらないのである。

結論

このような理由から、英語が優位な立場にあるものの、フランス語や他の言語は、必要な存在であると考えた。

吟味

英語を学ぶことで開けるキャリアはよく聞くが、フランス語についてははっきりしない。そこで私は、フランス語を学ぶことで実現できるキャリアについて探求してみたいと思った。(835文字)

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