上智大学 総合人間科学部 特別入試 志望理由書 提出例(樋口匡貴ゼミ向け)

■ 議論の整理
私は人の行動選択とその背景や根拠となる心理の関係に関心がある。最近では、コロナ・ウィルスの影響で外出自粛が求められる中、「私には関係ない」、「自分は感染するわけがない」と街に繰り出す若者や、自分が感染源となる可能性を度外視して旅行や花見に出かける人の姿が報道された。前例のない事態で、ウィルスや感染防止に関わる適切な情報が提供されていなかったこと、見通しの立たない状況下でのストレスなど、理由は様々考えられる。しかし、同様の現象は今回のコロナ騒動下においてだけではない。有事において不要な偏見や対立を生まないためにも、その行動の背景や心理を読み解き、次につなげていくことが学問の役割であり急務ではないだろうか。

■ 問題発見
では、社会的に望ましいとされる行為を促す感情と、それを阻害する感情はどのようなものだろうか。

■ 論証
私は、社会的有用感、自他からの尊重などが、社会的な行動を促す契機ではないかと考える。私自身を含む同世代の傾向を見ている限り、何かを禁止されれば陰でやってみたくなるし、叱られるとその場ではこれ以上叱られないようにと相手の要望を呑んだように振る舞うが、内心では納得していないことが多い。しかし、相手が自分と向き合い、信頼や尊重の気持ちを向けられると、自分でもなぜその行動が必要かを考え、応えようという気持ちになることが多い。こうした経験を自己感覚で終わらせず、学問として検証するために、社会心理学の知識と方法論を学びたい。

■ 結論
例えば樋口教授は、社会心理学のアプローチから、避妊具の使用を阻害する感情や使用を促進する感情やその影響プロセス、向社会行動が起こるまでの心理的過程とそれを促す他者の言動などを検証している※1、2。こうしたアプローチは、教育や人材育成にも応用可能であり、私もその専門性を身につけ、社会に貢献したいと考えている。

■ 結論の吟味
上記の目的のため、貴学の樋口匡貴教授のゼミで学ぶことを強く希望する。

※1 樋口匡貴, & 中村菜々子. (2010). コンドーム購入および使用に関する行動の変容ステージと羞恥感情との関連. 心理学研究, 81(3), 234-239.

※2 山本晶友, & 樋口匡貴. (2019). 受け取った恩恵の相対的な大きさが感謝に及ぼす影響─ 他者が受け取った恩恵を比較対象として─. 感情心理学研究, 26(3), 71-77.

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