■ 議論の整理
社会学という学問は、他の学問に比べて歴史が浅いが、フランスの社会学者コントの「予見するために見る」という言葉は現在の社会学のあり方を的確に表現している。自分自身が生きている現代社会を特徴づけることは難しいが、社会学は常にその見えにくい現状を実証的に調査・分析し、見通しを「予見する」ために貢献してきた学問である。
変化の著しい現代社会において、働くということの意味も、それに伴うライフスタイルも一層多様化が進んでいる。わずか数十年前までは、「年功序列」・「終身雇用」という図式がまだ成り立っており、多くの人は不満を抱えつつもその傾向に乗ることができた。しかし、その前提をあてにできない社会状況の中で、社会学は一人ひとりが見通しを持つための材料を提供しようとしてきた。
■ 問題発見
では、現代の若者にとって、働くことはどういう意味があるのか。若者像も多様化する中で、どのように今の時代を切り取るためにはどのような方法が必要であろうか。
■ 論証
この問いに答えるためには、データや統計によって裏付けされる実証研究を様々な切り口から積み上げることが重要である。私自身が「若者」であり、その内側にいて感覚的にわかること、確信をもって言えることはは確かにある。しかし、感覚はあくまで個人的な主観であり、若者だからこそ持てるその感覚を確かな論へと発展させるには、問いを立て、実証的に検証する姿勢と方法が重要である。
■ 結論
そのためには、労働をテーマとした社会学研究や理論の変遷を、社会学が導入された時期から現在まで概観するとともに、それらが現代においてどのように変化しているのかを検証する作業が必要である。
■ 結論の吟味
社会学的方法論から人と労働を考えていくために、貴学で労働社会学に精通している今井順教授のゼミで学ぶことを強く希望する。
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