慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(廣瀬陽子研究会向け)

■ 議論の整理・・・

ウクライナ危機は,ユーロマイダン危機(2013年),ロシアによるクリミア編入(2014年2月),ウクライナ東部の混乱(同年3月)という3段階を経て,未だ未解決である。第一の危機は,汚職まみれの政府に対する国民の不満の爆発だったが,きっかけはヤヌコーヴィチ前大統領が対EU連合協定締結を見送ったことだった。これは,地政学的ジレンマの中で,ウクライナがロシアを選択したことを意味する。第二のクリミア編入は,重大な国際法違反であるとはいえ,ロシアの長年の悲願だった。クリミア編入によりロシアの経済負担が増し国際的に孤立したにもかかわらず,ロシア人はクリミア編入を熱狂的に歓迎した。欧米による経済制裁と石油価格低迷により,ロシア経済は悪化の一途を辿っているが,欧米が対ロシア制裁を強めるほどプーチンの支持率が上昇するという奇妙な現象もみられる。第三の危機は,ロシア当局の関与になんら疑いはないが,積極的に主導している訳ではないと,貴学総合政策学部の廣瀬陽子教授は分析する(*1)。ロシアにとってウクライナ東部とクリミアでは重要性が全く異なること,ただでさえ経済的困窮にあえぐロシアには,併合に要する社会コストを負担する財政的余裕はないことをその根拠とする(*2)

 

■ 問題発見・・・

ウクライナ危機後,欧米諸国とロシアの関係は極めて冷めたものとなっているが,ウクライナ危機を誘引し,今日も一歩も引かないロシアの「動機」を,どう分析すべきだろうか。

 

■ 論証・・・

ロシアの最大の目的は旧ソ連諸国をEUやNATOに加盟させないことにある。そのためには,不安定なウクライナ東部をロシアが併合して残りの地域が安定するよりも,不安定なウクライナ東部を同国内に残す方がロシアには好都合なのである(*1)。NATOが集団防衛義務を負っていることもあって,不安定な地域を維持したままのウクライナは到底NATOには加盟できない。ウクライナ東部にウクライナ政府の主権が及ばない状況は長期化しており,ノヴォロシアが旧ソ連圏内5番目の未承認国家となる可能性も否定できない。未承認国家やノヴォロシアのような不安定な地域は,ロシアが旧ソ連諸国を影響圏内につなぎとめる重要なツールと化している(*1)

 

■ 結論・・・

そこで,旧ソ連諸国の情勢に詳しい貴学の廣瀬陽子教授に師事し,ウクライナ危機で孤立化を深めながらも怯むことのない「ロシアの論理」を研究したいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・

そのためにも,貴学SFCに入学し,廣瀬陽子研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 廣瀬陽子.“ウクライナ危機はなぜ終わらないのか”, < https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48606 >

(*2) 廣瀬陽子.“ロシアの経済危機はウクライナ問題がなくとも予想されていた”, < https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48606 >

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