議論の整理・・・貴学の論文(※1)では、既存の行為論が「目的をもった行為」であることを前提としていること、これに対し、ハイデガーが「存在とは前もって制作されてあるもの」「時間とは連続するもの」という点を批判していることに依拠して既存の行為論を批判する基調が現代の社会学の主軸であることが報告されている。
問題発見・・・しかし、こと「時間」について言えば、その議論はまだ不十分であることが同論文で示唆されている。
論証・・・「時間」が連続したものではないということは、ドゥルーズも「差異と反復」の中で主張していることであり、もはや現代哲学の常識であると言っても過言ではない。ドゥルーズによれば、「時間」とは過去、現在、未来に峻別され、絶対に連続していない。現在は現在で独立しているのである。新実在論においてはまだ「時間」の概念の検討は十分ではない。
結論・・・そこで私は、ドゥルーズの「時間」概念を研究して、既存の行為論に援用したい。
※1鳥越信吾(2018)「新しい行為論の構想:ドイツ学会動向」
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