議論の整理・・・貴学の論文(※1)では吉原直樹によって「場所」の再定義がなされているとする。即ち、「場所」は領域ではなく、フローの結節点である。これは直ちに、ドゥルーズ=ガタリのリゾームの理論やノマドの理論を想起させる。
問題発見・・・しかし、ドゥルーズ=ガタリを援用し、社会学の再定義を行う試みは、「場所」に限らず、まだ稀薄である。
論証・・・別の論文(※2)ではネットワークに関しドゥルーズ=ガタリのノマドの理論を援用している。だが、これでは不十分である。社会全体をツリーではなくリゾームとして捉え、人間を多様体として捉える、新しい社会学は十分実現可能だと考える。そもそも、ドゥルーズ=ガタリは知の枠組みを抜本的に刷新するために「アンチ・オイディプス」「千のプラトー」を書いたのではなかったか。今こそ、ドゥルーズ=ガタリを再評価すべきときである。
結論・・・そこで私は、ドゥルーズ=ガタリの枠組みから、新しい社会学を創出する研究をしたい。
※1近森高明(2012)「書評: 吉原直樹著『モビリティと場所』」
※2野尻亘(2015)「アクター・ネットワーク理論と経済地理学」
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