■議論の整理・・・
論文※1によると、アメリカではキャッシュ・フロー計算書の作成および開示が長らく制度化されている。日本も同様の流れが採用され、大部分の企業がキャッシュ・フロー計算書を作成している。キャッシュ・フロー計算書の定着により、損益と収支のズレが修正され、現金の増減が正確に把握できるメリットがある。同時に、それが本当に正確に把握できるのか、それがあることで企業の成長が加速するのかなど、議論すべき事項も残されている。
■問題発見・・・
キャッシュ・フロー計算書を通じて、キャッシュが増減する原因が把握できる。それを企業の経営課題やその解決策に役立てることで、作成の意味が高まるのではないか。
■論証・・・
キャッシュ・フロー計算書の作成は、実際の経営活動を通じて、どれだけの現金が生まれたのかを評価できる。一般的に、営業、投資、財務など、性質が異なる活動を通じてキャッシュが生まれている。キャッシュ・フロー計算書は、現金を生み出す諸活動のバランスの効率性を把握する貴重なデータとなる。それを読み解き、自社の成長に還元できる仕組みをつくれば、日本の企業活動はさらに活発になると考える。
■結論・・・
そこで私は、論文※1で試みられた、キャッシュ・フロー計算書の分析方法を応用しながら、企業の経営課題とその解決方法を抽出する手法を提案したい。そこで、キャッシュ・フローに関連する過去の研究を整理し、現在の課題を把握する。そのうえで、企業や日本経済の発展のために、キャッシュ・フロー計算書の数値をどのように活用できるのか考察をすすめる。
■結論の吟味・・・
私は、キャッシュ・フロー計算書の分析を通じて、さまざまな課題を明らかにしている河榮徳教授のもと、自分の関心を深めていきたい。そこで、早稲田大学商学部にて、河榮徳ゼミに所属することを希望する。
論文※1河榮徳(2001)「キャッシュ・フローの予測能力と価値関連性」『早稲田商学』390号(早稲田大学)
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