■議論の整理・・・
マーケティング戦略の対象となる消費者の動向は、人間の生活と深く結びついている。人間の生活や思考には、それぞれの深みや多様性がある。このような現実の世界をデータとして表現するのがマーケティング・サイエンスである。これまでのマーケティングは、戦略を立てる人の経験や発想が頼りがちだった。そこに定量分析を導入することで、消費者の購買行動を客観的に把握できるようになった。
■問題発見・・・
マーケティング・サイエンスの手法により購買行動を把握することは可能である。しかし、「どうして」購入したのか/しなかったのかは把握できないのではないか。
■論証・・・
論文※1は、マーケティング戦略を立てる際の、消費者インサイトの重要性について指摘している。消費者は、直観的に商品を買う場合と、カロリーや価格などを吟味して買う場合がある。後者については、アンケート等を通じて把握できるが、前者は無意識の行動であるため把握が難しい。そこで論文※1は、コンビニにおける消費者行動を分析することで、インサイトを把握することを試みた。ここから私は、実際の消費者の行動から、人間の隠れた心理を見出すことで、具体的なマーケティング戦略が打ち出せると考えた。
■結論・・・
私は、実際の購買行動と無意識の両方に目を向けながら、消費者の隠れたニーズを明らかにしたい。そこで、定量数値、アンケート調査、観察を組み合わせて、客観的で具体的なマーケティング・サイエンスの手法を提案することを目指す。
■結論の吟味・・・
守口剛教授は、マーケティング・サイエンスの理論と実践に精通している研究者である。そこで私は、守口剛ゼミに所属して、消費者の多様で複雑な購買行動を明らかにする研究を深めてきたい。
論文※1守口剛(2019)「抽象の階段を利用した思考法-実務と研究への応用-」(特別講演記録)『商学研究科紀要』88号(早稲田大学)
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