早稲田大学商学部AO入試・志望理由書・提出例(八重倉孝ゼミ向け)

■議論の整理・・・

将来の企業の成長を予測できれば、投資家の意思決定がスムーズに進み、企業の事業拡大に好影響を与える。そこで、報告※1で指摘されているように、会計情報を通じて企業の価値を評価するためのモデルの構築が試みられている。株価の変動やキャッシュ・フローから企業の今後の成長を予測することは可能であろう。しかしながら、実際の企業の会計情報を活用した分析数は多いとは言えず、さまざまなケースを比較検討するには至っていない。

■問題発見・・・

投資活動は、未来の成長に対して投資することである。そのため、現在の株価やキャッシュの状況ではなく、それが将来どのように成長するのか、あるいは下降するのかを見極めるためのモデルを提示することが必要ではないか。

■論証・・・

報告※1では、企業の価値評価につながりうる複数のモデルの有効性を、研究者が分担して検証している。私は、企業活動のなかでも、研究開発支出額から、将来の成長パターンが変わってくると考える。成果がすぐに出なくても、研究開発を長期的に継続することで、世界に注目される発見や改良につながることがある。とくに日本の場合、バブル経済期における研究開発投資の成果が、今になってあらわれていると言われている。

■結論・・・

私は、企業が研究開発のために一定の予算を投じることで、企業の価値があがる可能性が高まると推測している。それを会計情報から証明すれば、企業が計画的に研究開発を進められ、それに対する投資を促せる。そこで私は、会計情報を分析することで、研究開発に対する投資を企業の価値向上につなげるパターンを導き出したい。

■結論の吟味・・・

そこで私は、会計情報を活用して、企業の評価やブランド価値に与える影響を実証的に研究している、八重倉孝教授の指導を仰ぎたいと考えるに至った。

報告※1科学研究費研究課題(2009)「会計情報を活用した企業評価に関する総合的研究」(研究代表者:桜井 久勝)

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